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アニメ・アイドルのブログ

ラストアイドル『青春トレイン』の歌詞に秘められたLaLuceへの想い

ラストアイドルの7thシングル「青春トレイン」が8月17日のテレビ朝日ラストアイドル』でフルで地上波初放送された。大阪府登美丘高校のバブリーダンスで一躍有名になったakaneが振付を担当していて、そのダンスレッスンの模様をテレビでは1クールに渡って放送してきた。

青春トレインの概要

「青春トレイン」の作詞はもちろん秋元康。作曲はAKB48365日の紙飛行機」などを作曲したaokadoが担当している。歌詞は欅坂46のイメージを踏襲したかのような、社会や常識への反抗を電車にたとえて表現している。

レールに敷かれた人生という言葉があるように、ただ漫然と与えられた道を進んでいく大人達に対して疑問を投げかけ、将来について葛藤し、最後は自分はレールを外れて夢を追いかけるという覚悟を歌っている。

私はもう大人になってしまったので、若者の粋がった感情を高らかに歌い上げられるとこっ恥ずかしくなってしまうが、欅坂46がヒットしたように10代の若者にはきっと刺さる歌詞だと思う。

青春トレインの強烈な歌詞

さて初めて「青春トレイン」の歌詞を聴いたときに、この歌詞大丈夫なのか?と思った箇所がある。

どこへ向かっているのかなんて
聞いちゃいけないんだろう
列を乱さず不満飲み込み
行進してりゃ満足か?

ラストアイドルはこのakaneによる高難易度ダンスに取り組む前に清原伸彦監督の団体行動に取り組んでいた。これはいわゆるマスゲームで、歩いてフォーメーションを作るという集団ダンスだった。

最初に「青春トレイン」の歌詞を聴いたとき、なんてことを言うのかと思った。「列を乱さず不満飲み込み行進してりゃ満足か?」なんて団体行動に対する強烈な批判のように感じたからだ。団体行動自体には個人的には好印象を持っていないけれども、せっかく指導を請け負ってくれた清原監督に失礼すぎではないかと思った。

しかし昨日改めて聴いてみて、この歌詞の真意はそこじゃないことに気付いた。これはLaLuceに当てて書いたものではないか

団体行動のときに清原監督はラストアイドルのデビュー曲『バンドワゴン』を全員で踊ろうと計画していた。しかしLaLuceの長月翠が「バンドワゴン」は、私たちが勝ち取った曲だから他の人には歌われたくないと言ったのだ。

こう発言した背景は色々あって簡単に言えば、オーディションを勝ち抜いたはずのLaLuceが不遇な時代が続き、「バンドワゴン」という曲が彼女達の最後の拠り所となっていたことが大きい。詳しくは以下の記事を見ていただきたい。

これに対してはファンからだけでなくメンバーからも賛否両論あったが、結局踊らないことになった。このときの長月翠の感情と、この「青春トレイン」の歌詞が妙にリンクしている。

長月からしたら「列を乱さず不満を飲み込み行進してりゃ(視聴者やメンバーは)満足か?」という気持ちそのままだっただろうし、オーディションで勝ち残ったはずのLaLuceが蔑ろにされて「どこへ向かっているのかなんて聞いちゃいけないんだろう」という気持ちだっただろう。かなり直截的だ。

LaLuceへの秘められた思い

「青春トレイン」がLaLuceに対する曲だと考えると他の歌詞も違う意味を持ってくる。

人の波 黙って流されてしまおうか?
みんなの意志に逆らえば邪険にされて
足を踏まれ小突かれる

これも『バンドワゴン』を歌うか歌わないかの一連の騒動を表現したものとも考えられる。足を踏まれ小突かれるなんていうのは、団体行動の練習で実際にメンバー同士が物理的に接触して幾度となく見た景色であり、完全にそれをイメージしているだろう(ただし実際にメンバーにLaLuceが邪険にされたということはないことは留意してほしい)。

そろそろ楽して大人になるか?

『バンドワゴン』を許可するというのは、言ってしまえば大人になるということだ。LaLuceはその選択を断った。「青春トレイン」の最後はこう締めくくられている。

ああ トレイン トレイン 死んでも絶対大人にならない

そのほかにも

こっちから回れば近道になるって
ずる賢い誰かに耳打ちされても
先を急ぐ理由がない

何度も挫折をしながらそれでも人は立ち上がる
理想と現実の狭間で何を求めてるのだろう

と、何を指し示しているかには受け取った人によって違うが、挫折を繰り返してきたLaLuceに対して(もしかしたらこの部分はラストアイドル全員に対しても)励ますような歌詞になっていると私は思う。

まとめ

「青春トレイン」の歌詞の考察をしてみた。別に他グループを腐すつもりはないが、最近の秋元康ラストアイドルにいい曲を与えているなと思う。たくさん売れて、また音楽番組などで披露して、ファンを増やしてほしい。