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【劇場版このすば】『この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説』 感想 - 最近の深夜アニメ映画は作る必要がないものばかりだと思った

8月30日から公開となった『この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説』を鑑賞してきましたので、感想を書いておきたいと思います。

あらすじ

ゆんゆんがカズマのもとにカズマの子供が欲しいと言いやってくる。カズマはその言葉に自らのモテ期がやってきたと気を良くするのだったが、それはめぐみんとゆんゆんの故郷である紅魔の里を救うためだった。しかし、結局子供を作る必要はないとわかる。それでも紅魔の里の危機は本当であると思ったカズマたち一行は紅魔の里に向かうのだった。

紅魔の里ではゆんゆんとめぐみんの過去が明かされたり、めぐみんの家族にカズマとめぐみんがくっつけられそうになったり、お約束の魔王軍幹部との戦いが待っていたりするのだった。なんやかんや紅魔の里を救うカズマたちであった。

紅魔の里での出来事を通して、距離がなんだか縮まったようなカズマとめぐみんだった。

感想

『このすば』という作品のファンであるならば、特に文句は出てこない映画になっています。劇場版は制作スタジオがスタジオディーンからJ.C.STAFFに変更されていますが、根幹のスタッフは共通しているので、作品の雰囲気はまったく変わっていませんでした。キャラクターの魅力や関係性が前面に出されていて、ファンであれば間違いなく楽しめる作品です。めぐみんの可愛さやアクアとカズマの長年連れ添った夫婦感などが見どころでした。個人的に一番刺さったシーンはめぐみんの妹であるこめっこがおみやげの饅頭を食べるシーンで、饅頭を必死に口に運んでたくさん食べているはずなのに、容器の饅頭は減っていないという作画に、この作品の本懐を見た気がしました。このぐらい適当でいいんだよと。

私自身はテレビ1期の頃は円盤を全巻買うほどこの作品が大好きだったのですが、2期は完全にパワーダウンしてしまったなという感覚になってしまい、ファンという看板は外すことにした人間です。というのもなんだか展開として先に進んでいる感覚がまったくなく、ほとんど同じことを繰り返しているだけのように思ったからです。それはこの劇場版に関しても同様でした。もちろん完全につまらないかと言えば、そんなことはなく、笑いどころが非常に多くあるのは、純粋に称賛できるポイントではあるでしょう。

しかしながら、それでもやってることはこれまでとは全く変わっていないので、劇場版でやる意味が単純な商業的なものしか見いだせなかったのがなんだか残念に思えました。まあそもそも『このすば』という作品自体が劇場版をやるようなものではないと考えている私にとっては、やはり受け入れがたい劇場版であったかなと思います。内容としては原作5巻をそのまま映画にしているので、劇場版ならではの特別である感覚が必要だろうという信念がある私には微妙に映りました。言うまでもなく映像はテレビのものより豪華ではあるのですが、それだけじゃ足りないんです。

例えば『ドラえもん』や『クレヨンしんちゃん』みたいな作品であれば、日常ではない壮大な冒険を行うからこその劇場版であるという棲み分けがあると思うのですが、最近の深夜アニメ映画の場合、大抵は、儲かるからやっているという理由以外が見えてこないので、なんだかウンザリしてしまっています。まあ私がそんなことをいくら言ったところで、結局自分自身、劇場までお金を払って見に行っていますし、現にこの作品はかなりヒットしています。これからもこういう流れは拡大していくのでしょう。勝手な話ですが、アニメに対する希望や期待がどんどん潰えていくのを感じます。