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『機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)』感想 - ヨナがフェネクスに乗り込むまでの物語

とりあえず観に行ってきましたので、感想を書いておこうと思います。

現在は冒頭の23分が各動画サイトで公開されています。この冒頭23分には序盤の大きな見どころであるナラティブガンダムA装備の活躍シーンが含まれていますので、ぜひ一度観てみてから判断してもらえばと思います。まあガンダム作品を多く見てきた人なら分かるとは思いますがすぐポロポロ。

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冒頭の23分の映像ではあまりボロは出ていないのですが、ナラティブで個人的に残念に感じたのは作画でした。後半のクライマックスにあたる場面でどうにも崩れている印象の作画になってしまっているのは、曲がりなりにも看板作品であるガンダムの劇場版には相応しくないでしょう。どうやらサンライズですら作画報酬の未払い問題が起きているとの話もあり、その噂を反映した出来になってしまっているのは擁護できません。しかし全体の話としては単体でしっかり完結しているのもあり、かなりまとまった印象になっているのは評価できる点かと思います。わかりやすい映画的な見どころを作ろうとしているのが感じられる作品でした。

あらすじ

おおまかなストーリーの流れとしては、主人公格3人(ヨナ、ミシェル、リタ)の過去が少し描かれる導入部から始まり、主な舞台であるUC:0097でのフェネクスを巡る作戦が開始され、ナラティブガンダムA装備でフェネクスを捕獲すべく追い詰めるも結果的に逃げられる。その後、フェネクスを誘き出し、捕獲するための作戦がコロニーにて行われ、そこではジオン残党との戦闘が開始され、結果的にフェネクスが誘き出されるが、また逃げられる。そして最後はジオン残党のリーダー格に据えられていたフルフロンタルのなりぞこないと呼ばれる強化人間であるゾルタンが暴走。彼の暴走によって引き起こされる大惨事を防ぐため、ヨナの駆るナラティブとゾルタンが操るネオジオングの交戦へと続くというようなもの。

 気になった点

この後にUC2が控えているというのもあって、その導入部のような印象の作品であったかと思います。UC2ではユニコーンフェネクスが共闘するという展開がおそらくあるのでしょう。『機動戦士ガンダムNT』というよりは『機動戦士ガンダムUC1.5』です。UCは悪い言い方をすれば、同人ガンダムという作品でしたが、今作もUCと同じく過去作に出てきた要素を拾いまくっています。最初のコロニー落としを予知し、奇跡の子と称されるようになった主人公の3人やニュータイプ研究所、ルオ商会、ヘリウム3などのファンであれば気になるワードが散りばめられ、有効に利用されているとは思います。最後は、前作主人公であるバナージも活躍しすぎない程度に出てきます。過去作に出てきた要素ばかりを拾い上げて、再利用する姿勢を私はあまり評価したくはないのですが…

今作には一瞬ですが、『閃光のハサウェイ』に登場するグスタフ・カールが登場しています。

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最新鋭機であるにも関わらず、ディジェにあっさりやられるのはどうなんだ…ちなみに先日公式に発表がなされた『閃光のハサウェイ』予告映像も上映後に流されました。このための登場でしょう。

そしてUCからしてそうなのですが、あまりにもオカルトが過ぎて、もはやガンダムとはどういう作品だったのかというのを忘れそうになります。以前までであれば、オカルト要素はわずかにとどまっていたような気がしますが、もはやサイコミュであらゆるものを動かせたり、死者との感応現象が当たり前に語られるのは、一応リアルな要素が感じられるのがガンダムであるとの認識を覆されそうです。ニュータイプサイコフレームを掌中に収めることができれば、世界のすべてを支配するのも決して夢物語ではない世界観に成り果てています。最終的に『イデオン』の世界に近づいている気がしてならない。サイコフレームの技術が封印されたF91の時代になるまでを描いていくとのことですが、このめちゃくちゃをやり尽くした世界の後に続く物語に魅力を感じるのは難しくなりそう。個人的には逆シャアからF91までの間に何があったのかということを具体的に描いていくのはやめたほうがよかったのではという気もしてしまいます。

ナラティブガンダムについて

今作の主役機であるナラティブガンダムですが、本当に欲張りな機体でした。まずオーキスのような大型の装備で登場し、その後は有線ではありますがオールレンジ攻撃兵器を装備(搭載されたNT-Dの発動により、結局サイコミュで動くフィンファンネルのような兵器になる)し、終盤にはサイコフレームを纏ったデストロイモードのような姿になり、サイコフレームの色まで変えてみせます。最終的にはコアブロックシステムを披露し、ヨナをフェネクスのコックピットまで導きます。どんだけだよ。冒頭のA装備が出てくるところを無料公開しているのも、やたらめったらこのプラモデルが高いのも、いろいろな形態が登場するのも、発売時期がクリスマス商戦を見越した時期であるのも全てが商業主義バリバリで…プラモを売るためのアニメではあると思いますが、めちゃくちゃやるよなあとしか思えません。しかも結局は噛ませ犬みたいな役割だったのに…

 結末について

最終的にはミシェルとリタの導きにより、フェネクスの操縦桿を握ったヨナがネオジオングを倒します。しかしそれでもゾルタンの残留思念が、集積場のヘリウム3を臨界へと導きますが、それをフェネクスがオカルトパワー全開でなかったコトにするのは、もはや乾いた笑いしか起きないレベルです。

フェネクスが光の速さで飛ぶ描写やパイロットが乗り込んでいないにも関わらず動いていたというのは、もう本当に行き着くところまで来たな…と思ってしまいました。スパロボに出たら、フェネクスは飛影みたいになるのかなとも思ったり。あとヨナが乗る機体のHPが残り10パー以下になったらフェネクス召喚可能とかいう設定になりそう。これもうわかんねぇな。