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アニメ『BANANA FISH(バナナフィッシュ)』16話感想 - コントのような脱出劇

2018秋アニメ『BANANA FISH』第16話「哀しみの孔雀 Lo, The Poor Peacock」感想です。サブタイトルはフィッツジェラルドの小説です。

前回あらすじ
アッシュが死亡したというニュースが信じられない英二は、月龍を人質に屋敷を抜け出す。月龍を置いて去ろうとする英二に、月龍は自分を殺せと告げる。一方、精神衛生センターに向かったマックス達は病理解剖されるアッシュの死体を目撃する。

第16話あらすじ


© 吉田秋生小学館/Project BANANA FISH

警備員からIDキーを奪ったアッシュは部屋から脱走する。警備員達はアッシュが逃げたことに気付くも、捕まえられずにいた。ゴルツィネはザヘレフにアッシュ捜索の指揮を取らせる。

ゴルツィネ「あれは私が作り上げたこの世で唯一の魔性の生き物なのだからな。知性と力、強靭な精神力、比類なき気品と美貌、それを生かすも殺すもその権利は創造主たる私のものなのだ。」


© 吉田秋生小学館/Project BANANA FISH

アッシュはドースンを連れ出す。シャッターを閉じられ袋のネズミになるアッシュだったが、エレベーターの上に隠れて難を逃れる。取材に託けて精神衛生センターに来ていたマックスと伊部は混乱に乗じ、アッシュを助けに向かうが、知らず知らずのうちにのうちに逆にアッシュの邪魔をしてしまう。


© 吉田秋生小学館/Project BANANA FISH

アッシュはダストシュートから外に逃げ出すが、そこで見たのは警備員に捕まったマックスと伊部だった。一瞬は見捨てたアッシュだったが生来の優しさで2人を救出に向かう。しかし2人は自分がアッシュを助けにきたと言い放ちアッシュの堪忍袋の尾が切れる。


© 吉田秋生小学館/Project BANANA FISH

逃走中に入った部屋では所員が行為をしていた。アッシュたちは彼らの制服を奪い逃げ果せる。ゴルツィネはザハレフを射殺する。そしてアッシュはマックスの制止を振り切り英二を探しに行くのだった。

アッシュ「でもダメなんだ。…あいつが無事でいないと俺はダメなんだ。

感想

今回はコントのような回でした。アッシュが必死に逃げ回っているのに、助けに来ているはずの伊部とマックスが、その逃走を邪魔しているという皮肉。そして、アッシュが逆にマックスを助けに来たのに、マックスの恩着せがましさに笑ってしまいました。でも一番面白かったのはドースンが足場になっているところ。哀愁漂う姿がまた…アッシュの女装も見れて大満足です。

ドースンを片手で持ち上げ、アッシュとドースンの体重を片手で支えるアッシュの筋力やばすぎるな。持ち上げる方は単純に筋力があればいいけど、ぶら下がる方は筋力をつけすぎると、過体重になってしまって支えられなくなるから難しい。しかしこういうシチュエーションは大抵美少女が相手なんだけど、廃人と化したおっさんというのがなんとも…これじゃ火事場の馬鹿力も出ないわ。そしてドースンの石頭もやばい。推定80kg程度の成人男性が上空から落下して直撃したら普通は即死します。

ゴルツィネは逃走者に逃げて欲しかったのは丸わかりで、そこはザハレフは気付いてもおかしくないですが、気付かないところがまた無能なんでしょうね。ゴルツィネのアッシュに対する執念ってのは常軌を逸しています。でもゴルツィネはアッシュの一番大事な人間らしさっていうのを理解できていないんですよね。結局アッシュのことなんか何も分かってなくて、表面的でしかないところにゴルツィネの思い上がりが見えます。ゴルツィネパートが権謀渦巻くシリアスだったのに対してアッシュパートのコメディーの対比もメリハリが効いてて良かったです。

最後の「でもダメなんだ。…あいつが無事でいないと俺はダメなんだ。」は印象的。他人に頼らずセンターを脱走したアッシュが唯一頼る相手が英二だというところにアッシュの思いがよく現れています。