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【ズル林】館林市の新旧観測所の最高気温記録比較 - 日本一暑い街の称号は守られるのか?

群馬県館林市といえば日本一暑い街として有名な市であり、市全体で暑い街というのをPRしています。その館林市ですが、7月から気象観測所が移転し、計測することになりました。

その理由というのが、館林市の今までの観測所は「気温が上がりやすい場所」にあったのではないか?とネットなどで指摘され、ズル林という蔑称で呼ばれていたからです。以前の館林市の観測所は館林地区消防本部にあり、近くに住宅地が密集し風通しが悪いこと、消防署の駐車場の車の熱気や、近くにあるネッツによる加ネッツなど、気温を水増しする様々な要因があると言われていました。

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館林市旧観測所(朝日新聞より)

アメダスは、30m2以上の芝生を設置し、地面からの反射日射を減らすことや、風の通りを妨げないような柵を設置すること、風通しが悪くならないよいに周囲を開けた場所に設置することが望ましいとされています。

新しく移転した観測所は、群馬県立館林高校のグラウンド内で、こちらも地面が芝生でないなどの問題点は指摘されていますが、旧観測所よりも開けた場所に存在していることがわかります。

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館林市新観測所(産経新聞より)

気象庁でも旧観測所と新観測所の最高気温の比較をしていますが、このブログでもグラフなどを使って視覚的にわかりやすい形で比較していきたいと思います。なお夏季が終わった後に気象庁がまとめて結果を考察、発表するようなので、それまでの一時的な情報として楽しんでいただければと思います。

※ 8月20日現在までのデータです。気温などの表データは出来るだけ毎日更新して行こうと思います。グラフデータは毎日の更新は無理なので定期的に更新していきます。

館林新旧観測所の最高気温推移

日付 旧観測所(℃) 新観測所(℃) 差分
7月2日 37.5 36.7 -0.8
7月3日 37.1 36.4 -0.7
7月4日 33.5 33.5 0.0
7月5日 27.8 28.1 +0.3
7月6日 22.8 23.0 +0.2
7月7日 25.1 24.9 -0.2
7月8日 31.5 30.5 -1.0
7月9日 34.5 33.3 -1.2
7月10日 36.6 35.9 -0.7
7月11日 36.1 35.6 -0.5
7月12日 32.1 30.9 -1.2
7月13日 36.2 36.1 -0.1
7月14日 37.8 36.9 -0.9
7月15日 38.9 37.9 -1.0
7月16日 39.1 38.4 -0.7
7月17日 37.8 37.0 -0.8
7月18日 39.4 38.9 -0.5
7月19日 38.1 37.7 -0.4
7月20日 37.1 37.0 -0.1
7月21日 38.9 38.0 -0.9
7月22日 37.8 37.4 -0.4
7月23日 40.1 39.4 -0.7
7月24日 37.6 37.1 -0.5
7月25日 34.8 34.3 -0.5
7月26日 30.4 30.5 +0.1
7月27日 32.1 31.3 -0.8
7月28日 31.3 31.5 +0.2
7月29日 33.0 32.9 -0.1
7月30日 35.4 34.3 -1.1
7月31日 36.7 35.6 -1.1
8月1日 38.8 38.1 -0.7
8月2日 37.8 37.8 0.0
8月3日 38.1 38.0 -0.1
8月4日 37.4 36.7 -0.7
8月5日 39.6 38.7 -0.9
8月6日 33.8 33.8 0.0
8月7日 25.9 25.5 -0.4
8月8日 30.6 30.4 -0.2
8月9日 34.3 34.5 +0.2
8月10日 37.3 36.6 -0.7
8月11日 34.9 34.8 -0.1
8月12日 32.6 32.6 0.0
8月13日 33.7 33.9 +0.2
8月14日 37.4 36.8 -0.6
8月15日 37.6 36.9 -0.7
8月16日 33.6 33.5 -0.1
8月17日 30.1 29.7 -0.4
8月18日 29.6 28.7 -0.9
8月19日 30.4 29.2 -1.2
8月20日 29.4 29.6 +0.2

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館林新旧観測所の最高気温推移
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館林新旧観測所の最高気温差分

データは気象庁のホームページおよび気温と雨量の統計様のものを使用しています。差分は新観測所から旧観測所の温度を引いた値です。

新観測所の方が、旧観測所よりも概して最高気温が低くなっています。8月20日現在で気温の高い方を勝ちとすると、旧観測所が40勝7敗4分と圧倒的に勝ち越している。最高気温の差分の平均ではマイナス0.53℃もの差があります。

新観測所の方が開けた場所にあるため温度が上がりにくかったと考えられます。つまり周りの設備によって温度は0.5℃程度は変動しうるということです。新観測所の館林高校は地面が芝生でなく、防草シートを敷いているため、まだ他の観測点に比べて数値が上乗せされている可能性はあります。

本来は、なぜ気温に差が出たのかを日照時間や風の関係から考察できるといいのですが、最高気温を記録したときの風の情報が不明なことなどがあり、それは難しかったです。すみません。

また館林などの郊外の高温地域は、午前中は比較的温度が上がらないが、午後から急に上昇する様子が見て取れた。(データはなし。私の感覚だと言うことを断っておきます。)これはヒートアイランド現象で、都心部の熱が徐々に郊外部に移動してくるからだと推測できます。

館林市は日本一暑い街なのか?

日付 旧観測所順位 新観測所順位
7月2日 1 8
7月3日 1 2
7月4日 10 10
7月5日 146 117
7月6日 478 467
7月7日 321 340
7月8日 61 147
7月9日 12 57
7月10日 1 6
7月11日 1 8
7月12日 163 263
7月13日 5 5
7月14日 6 31
7月15日 1 8
7月16日 2 11
7月17日 8 23
7月18日 7 11
7月19日 13 23
7月20日 37 44
7月21日 1 4
7月22日 30 40
7月23日 5 16
7月24日 35 67
7月25日 183 233
7月26日 609 599
7月27日 344 442
7月28日 393 330
7月29日 186 196
7月30日 57 141
7月31日 12 61
8月1日 1 4
8月2日 20 20
8月3日 19 21
8月4日 19 46
8月5日 3 17
8月6日 275 275
8月7日 調査中 調査中
8月8日 394 399
8月9日 89 76
8月10日 1 10
8月11日 93 95
8月12日 278 278
8月13日 260 247
8月14日 34 57
8月15日 2 4
8月16日 31 33
8月17日 202 調査中
8月18日 調査中 調査中
8月19日 140 調査中
8月20日 調査中 調査中

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館林新旧観測所の順位比較

旧観測所で測定した場合、日本一になった回数が8月20日までに8回も存在します。旧観測所での計測では、日本一暑い街という称号は嘘ではないでしょう。しかしながら、新観測所での測定では日本一に輝いたことは1回もありません。最高気温ランキングの上位ということは疑うべくもないですが、日本一かと言われると疑問符がつく結果になりました。

Appendix 各日の最高気温ランキング1位とその地点

日時 最高気温 地 点 名 所在都道府県
7月2日 37.3 伊勢崎 群馬県
7月3日 36.5 福島 福島県
7月4日 35.4 大分 大分県
7月5日 31.4 南鳥島 東京都
7月6日 30.7 種子島 鹿児島県
7月7日 31.9 波照間 沖縄県
7月8日 33.7 奈良 奈良県
7月9日 36.1 日田 大分県
7月10日 36.6 日田
佐賀
大分県
佐賀県
7月11日 36.1 多治見 岐阜県
7月12日 36.1 日田 大分県
7月13日 36.4 久留米 福岡県
7月14日 38.7 多治見 岐阜県
7月15日 38.8 揖斐川 岐阜県
7月16日 39.3 揖斐川 岐阜県
7月17日 38.9 揖斐川 岐阜県
7月18日 40.7 多治見 岐阜県
7月19日 39.8 京都 京都府
7月20日 38.9 豊岡 兵庫県
7月21日 38.2 舞鶴
鳥取
京都府
鳥取県
7月22日 39.8 八幡 岐阜県
7月23日 41.1 熊谷 埼玉県
7月24日 39.3 美濃 岐阜県
7月25日 38.8 山口 山口県
7月26日 38.5 久留米 福岡県
7月27日 37.6 佐賀 佐賀県
7月28日 37.2 岱明 熊本県
7月29日 39.5 大潟
三条
新潟県
7月30日 37.7 かほく 石川県
7月31日 38.5 鳥取 鳥取県
8月1日 38.6 舞鶴 京都府
8月2日 40.2 多治見 岐阜県
8月3日 40.3 名古屋
美濃
愛知県
岐阜県
8月4日 38.7 美濃 岐阜県
8月5日 39.9 名古屋 愛知県
8月6日 41.0 金山 岐阜県
8月7日 37.6 久留米 福岡県
8月8日 41.0 美濃 岐阜県
8月9日 38.7 八幡 岐阜県
8月10日 37.3 岐阜 岐阜県
8月11日 39.1 多治見 岐阜県
8月12日 39.1 日田 大分県
8月13日 39.9 日田 大分県
8月14日 38.7 久留米 福岡県
8月15日 38.3 富山 富山県
8月16日 35.4 日田 大分県
8月17日 34.9 熊本 熊本県
8月18日 34.6 日田 大分県
8月19日 35.6 久留米 福岡県
8月20日 35.6 熊本 熊本県

今年はどこが日本一暑い街か?ということになると、最高気温の40.7℃を記録した多治見、3日連続ランキング1位を達成した揖斐川、7日連続38℃以上を記録した京都などが候補に上がるでしょう。

7月23日に熊谷で日本の観測史上最高となる41.1℃を記録しました*1。熊谷の観測所は無人観測所のアメダスではなく地方気象台であり、地面は芝生、開けた場所と、望ましい測定条件を全て兼ね揃えているのでズルではありません。

熊谷観測所(くまがやねっとより)
よって熊谷が名実ともに日本一暑い街と言っていいでしょう。

多治見や揖斐川は館林同様に、開けていない場所、地面が防草シート、駐車場や幹線道路の近くなど、観測所の設置場所がおかしいのではないかと問題になっていますので、この値には若干の疑義はあります。

*1:ただし東京で45.2℃を関東大震災時の火災被害時に計測している。非公認記録。