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藤井聡太七段の「待った」反則疑惑の処分はあるのか?処分内容について

藤井聡太七段が竜王戦決勝トーナメントで増田康宏六段と対局をおこなったが、その際に藤井聡太七段が「待った」の反則があったのではないか?と物議を醸している。私は学生時代に将棋部ザコ部員だったのですが、この反則疑惑について思うことを書き残しておきたいと思います。

どのような反則だったか?

まず、どんな反則だったかというのは以下の動画の0:30あたりから見ていただきたい。

https://youtu.be/YYvqOpFzWMw

一度、桂馬を打ったあとに駒をちょんちょんとして飛車に打ち直しています。将棋のルールでは、駒から手を離れた瞬間に着手完了となり、それ以降の指し直しは「待った」という反則になり認められません。駒から指が離れない限りは、手を直すことができます。

この藤井七段の場合も、ちょんちょんの間に手が離れているかどうかが反則かどうかの問題になりそうですが、実は将棋の世界ではちょんちょんはグレーで手が離れていないと見なされることもあります。アマチュアでの戦いでもしばしば見られ、対戦相手に不快な気分を与えるのは間違いないが反則負けとはならないことが多いです。

過去に待ったで処分された加藤一二三

過去に「待った」の反則で処分された棋士加藤一二三九段がいます。阿部隆七段との銀河戦の対局時に、加藤九段が桂馬を一度不成で指したものの駒の上にちょんちょんとしていて、その後桂成に指し直しました。

これは今回の藤井七段の場合と全く同じ動きです。動画では阿部七段が、加藤九段に抗議しているように見えるかもしれないが、これはちょんちょんしている間に秒読みをしていない記録係に対して抗議しているのであり、加藤九段の手を「待った」だとは認識していません。

将棋の時間は1分単位で減っていくもので、加藤九段は55秒位で着手し、記録係は着手完了と見て秒読みをやめました。しかし実際は65秒ほどまで加藤九段は着手しており、これを問題視したことの阿部七段の抗議だったということです。

しかしながら後日、加藤一二三九段は将棋連盟に「待った」の反則があったとして処分されます。

日本将棋連盟理事会は10日、CS放送「囲碁・将棋チャンネル」で放映された第13期銀河戦の対局で「待った」をしたとして、加藤一二三・九段(65)に対し、来期の同棋戦出場停止と同対局の対局料没収とする異例の処分を発表した。
問題となったのは5月26日に放映された阿部隆八段との一戦。桂馬を敵陣3段目に「不成」で置き、いったん駒から指が離れたにもかかわらず、それをまた裏返した(成った)。対局はそのまま続行され、加藤九段が勝ったが、放映後、「待った」(着手後の変更)ではないかという抗議メールが将棋連盟に複数寄せられ、理事会がビデオで確認したところ、「明らかに反則とされる『待った』であり、棋士にあるまじき行為」と判断したという。
http://www.asahi.com/culture/entertainment/news/TKY200506100299.html


また藤井七段の場合は、桂馬を戻すときに一度盤上に落としており、その後飛車を指しています。これは二手差しと見られうるもので、つまり反則としては、加藤九段のものよりも重大なことをしていると見做される可能性があるでしょう。

藤井七段は処分されるか?

この前例に習うならば、なんらかの処分がされるとは思います。しかしながら藤井聡太七段は時の人であり、処分に対する世間の反応は賛否両論出てきそうな気もしますし、盛り上がってきた将棋界に水を差しかねないので、将棋連盟は正直なところ処分したくないのではないか?と思っています。ただこの試合、藤井七段が負けたのは、将棋連盟にとってはありがたかったでしょう。処分内容に関しては、反則が1回目ということもあり厳重注意とかそのレベルになると予想します。

とはいえサッカー日本代表もそうですが、やはりクリーンで潔い将棋を指してほしいなと思います。藤井七段は勝ちへのこだわりが人一倍強く、思いがけず焦ってやってしまったのだと思いますが、処分もやむを得ないかなというのが感想です。

将棋連盟のコメント

7/1に将棋連盟がコメントを出しました。

日本将棋連盟は2日、最年少プロの藤井聡太七段(15)が6月29日の竜王戦で、反則の「待った」を疑われるような着手があったとインターネット上で指摘されたことについて、「反則ではなくマナーの問題なので、師匠(杉本昌隆七段)から本人へ注意すると聞いております」とのコメントを出した。
対局後、連盟の常務理事らが映像で確認し、反則ではないと判断した。
藤井七段は増田康宏六段(20)との対戦で終盤、持ち駒の「桂馬」を指そうとしたが、すぐに戻して「飛車」を着手した。ただ、増田六段からの指摘はなく、対局はそのまま進んで、125手で藤井七段が敗れた。
「待った」は1度着手して駒から手が離れた後、駒を元に戻したり、指し手を変更したりすることで、反則となる。
2005年、加藤一二三・九段(78)が「待った」の反則をし、出場停止処分になった例がある。
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2018/07/02/kiji/20180702s000413F2221000c.html

反則じゃないは流石に通らないと思うんだが…まあ注意ということで終わりそうですね。