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アニメ『ダブルデッカー ダグ&キリル』13話(最終回)感想 - 私の選ぶ2018秋の最高アニメ

2018秋アニメ『DOUBLE DECKER! ダグ&キリル』第13話「そして誰もいなくならなかった!」感想です。サブタイトルの元ネタはアガサ・クリスティーのミステリー小説『そして誰もいなくなった』です。

前回あらすじ
SEVEN-Oが悲しみに沈む一方で、エスペランサ構成員の大半が死体で発見される事態が発生。敵を失った捜査員一同に自宅待機命令が下されるなか、キリルはある決断を下す。

第13話あらすじ

クーパーにダグは撃たれ、負けを認めたキリルとミラはクーパーに連れられていく。クーパーは自室で基地の爆破システムを作動させる。30分後に基地は爆破され、加えて航空機に爆撃させ、証拠隠滅のために基地のデータを全て破壊するという。

キリルは懐に潜ませた対クーパー用薬剤を注入しようとするが見破られる。しかしミラがその隙をついてクーパーの首に注入する。クーパーは薬剤の影響で力を失うことを危惧し、ダグの持っていた特製アンセムを奪って使用する。

アンセムの力で化け物となったクーパーは銃弾ももろともせず、駆けつけたディーナたちの攻撃にも受け付けない。しかしながら、これこそがキリルたちの仕込んだ罠だった。元々対クーパー薬剤などなく、注入したのはただのアドレナリンで、アンセムをクーパーに使用させるのが目的だった。アンセムを二度使用したクーパーは制御不能となり、オーバードライブ状態に。そして対AMS弾により無力化されるのだった。

空爆はクーパーから権限を委譲したキリルが止めたが、基地の爆破装置は作動を始めてしまう。混乱に乗じて逃げるクーパーにダグは追わなくて良いと言う。

ダグ「言ったろ?俺はお前を助けに来たんだ。

爆破が進む基地から辛くも逃げ出すSEVEN-O。ダグも瓦礫に挟まるというピンチもあるも爆発で瓦礫がうまい感じに破壊され無事助かる。助けに来たのはユリだった。

できないことはしないけどやると言ったときは必ずやる。ダグがもし世界を救うと言ったら、あいつは定時までに救って家に帰る。あいつが貧困と格差を本気でなくしたいと願ってんなら、定年までにそれは叶う。それがダグ・ビリンガムだ。

キリル「やっぱりあんたはヒーローって柄じゃないんだな
ダグ「お互い様だ
キリル「ああ俺たちは刑事だ
ダグ「どちらかと言うとコミカルな方のな

基地に残ったクーパーはミサイルで迎撃しようとするが、そこに現れたのはザベルだった。

ザベル「メインキャストが誰も死なずに幕引きなんて虫が良すぎると思わないか?」

復活したユリはオリジナルだった。自爆したユリはトラヴィスがコーヒーをユリの身体に溢したことを隠蔽するために作ったコピーだったのだ。キリルは仲間を危険に晒した責任を取ろうとトラヴィスに辞任を出すと告げるが、仲間はもちろんそれを止める。そしてSEVEN-Oは今日もアンセムの事件に出動し、リスヴァレッタの治安を守り続ける。

感想

いい最終回だった。グッドルッキングジョーやカミラのときの伏線もちゃんと使っていて流石でした。ユリも戻って来て嬉しかったです。そのユリもちゃんと伏線があったんですね。そういやトラヴィスがなんかコソコソしていたシーンがありました。大団円という感じで文句のつけようがない最終回でした。あえて言うとすれば「To be continued?」のクエスチョンマークがエクスクラメーションマークになっていればもっと良かったです。2期があるように祈りつつ、このアニメをもっと宣伝していきたいと思います。

そしてザベルがかっこいい。私はガンダム好きなので、今まで敵だったキャラクターが最後に裏切るという展開がどうもガンダムっぽいなと思ってしまうし、基地を爆破したのも、グリプス戦役ジャブローを核爆破したシーンを思い出してしまいました。サンライズなので特に。ガンダムとは異なり、全体としてみればシンプルな勧善懲悪になっていますが、それは『DOUBLE DECKER』の世界観に良く合っていると思います。


総評ですが、めちゃくちゃ面白かったです。伏線をちゃんと張って後から回収というのも私好みでしたし、コミカルなテイストの刑事ものというのもストライクど真ん中でした。キャラクターも魅了的で、ちょっと構えずに楽しめる物語もあれば、考えさせるような物語もあったりして、いいバランスでした。OPやEDも好きですし、不必要な話がなくて、13話で綺麗にまとまっていて、不満は一切ありません。

このアニメのすごいところは伏線が伏線だと分からず、ちゃんと無理なく物語に組み込まれているところだと思います。さらっとタネを明かすというかっこよさ。意味深なアニメにしてSNSで盛り上がらせる手法は随分前からありますが、純粋に1話単位でもアニメに完成度を求めるストイックさにも惚れますし、それを束ねる手腕が素晴らしい。

円盤の売上は700枚と振るわないのが、ちょっと納得できないです。まあ女性向けだったら男性キャラが少なかったかなとも思いますし、コミカルテイストも最近は受け入れられにくいのもあるのかなとも思います。むしろこのアニメは私くらいの世代(20代後半から30代前半)が楽しめるアニメかもしれません。こういうアニメが売れてほしいなと思うばかりです。