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アニメ・アイドルのブログ

レコード大賞DA PUMPの『U.S.A.』ではなく乃木坂46に決定した理由を考える

2018年のレコード大賞が決定した。今年を代表する楽曲は誰もがDA PUMPの『U.S.A.』だと思うだろうが、その予想に反して大賞は乃木坂46の『シンクロニシティ』だった。Twitterなどでは不満の声が上がっている。

レコード大賞とはどういう賞なのか?

レコード大賞とは

対象年度に発売されたすべての邦楽シングルCDの中で「作曲、編曲、作詩を通じて芸術性、独創性、企画性が顕著な『作品』」、「優れた歌唱によって活かされた『作品』」、「大衆の強い支持を得た上、その年度を強く反映・代表したと認められた『作品』」、以上3点に該当する『1作品』に贈る。

となっている。この基準から言っても『U.S.A.』は該当する作品であることは疑いない。実際にノミネートはされている。しかし大賞は逃してしまった。私もアイドルが好きなのでシンクロニシティ』も良い曲だとは思う。テレビのCMで流れてもついつい聴いてしまった。だけど贔屓目に見ても、その年度を強く代表した作品とは言えないだろう。

レコード大賞は、実際のところ政治力が物を言う賞であり、出来レースと呼ばれることもあるし、過去には週刊文春で、三代目J Soul Brothersが1億円以上の金額で大賞を買収したとも報道されている。三代目J Soul Brothersはこれを否定も肯定もしていない。これによりEXILE大賞と揶揄されることもあった。近年はAKBグループや坂道グループが多く受賞している。今回もAKB48の『Teacher Teacher』や欅坂46アンビバレント』も優秀賞を受賞しているし、STU48が新人賞を受賞している。

Twitterでは、レコード大賞よりもDA PUMPがトレンド上位になっており、「なんで乃木坂なの?」とか「DA PUMPが可哀想」とか「基準が意味不明」などと言われている。

なぜ『U.S.A.』が受賞できなかったか?

まあ私もレコード大賞は、週刊文春が報じたように買収が横行する薄汚れた賞だと思っているが、まともに審査されたと仮定して、なぜ『U.S.A.』がレコード大賞を獲得できなかったかを考えてみたい。

まずひとつには『U.S.A.』が洋楽のカバー曲であることが挙げられる。原曲は1992年に発売されたJoe Yellowの『U.S.A.』である。このカバー曲が受賞というのを審査員が避けた可能性がある。過去には西城秀樹の『Y.M.C.A.』なども受賞できていない。主催は公益社団法人日本作曲家協会であるから作曲に重きをおいていることがわかる。

とはいえカバーと言っても、アレンジもされているし、もちろん歌詞は和訳ではなく、空耳歌詞など原曲の雰囲気を残しつつ新しいものになっている。なによりISSAの歌唱力やDA PUMPのダンスにも独創性を感じるものになっている。カバーだからと言って切り捨てるのはおかしいと私は思う。

もう一つの理由は純粋にCD売上が足りてないという可能性である。『U.S.A.』の売上は10万枚程度である。『シンクロニシティ』はドーピングがあるとはいえ124万枚を売っている。ただ現在は配信やストリーミングの時代であり、実際にYouTubeで『シンクロニシティ』は1,958万回再生だが、『U.S.A.』は1億3,000万再生となっている。

2016年は西野カナ『あなたの好きなところ』が受賞しているが、こちらは4万枚程度しか売れていない。ただこのような少ない例を除いて基本的には、ある程度CD売上の多い作品が選ばれる傾向にあるのも事実ではある。その部分が審査に関係したかもしれない。

まとめ

シンクロニシティ』も良い曲だが、やっぱり大賞はその年を代表する曲にしてほしい。最近のオリコンランキングは、その年を反映するという意味では価値を失っているので、レコード大賞のような賞の重要度は増しているとも言える。政治力やしがらみや買収のないクリーンな賞になってほしい

U.S.A.

U.S.A.