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アニメ『色づく世界の明日から』11話感想 - 夜空を駆ける瞳美と唯翔の会いたいという思い

2018秋アニメ『色づく世界の明日から』第11話「欠けていく月」感想です。

前回あらすじ
瞳美に自分の本心を語ったあさぎ。互いの本当の気持ちを知ったふたりの間に、気まずい空気が流れる。あさぎともう一度仲直りしたい瞳美は、勇気を振り絞り彼女に声をかけ……。一方、魔法写真美術部では文化祭に向けて、準備が進行中。琥珀は魔法部として「絵の中に入る魔法」を文化祭で披露することを思い立つ。絵に入った一同は様々なものを目にするが、唯翔にはある出会いがあり……。

第11話あらすじ


© 色づく世界の明日から製作委員会

文化祭の準備が本格的に始まり、魔法写真美術部のメンバーも展示会やマジカルアートイリュージョンの用意に邁進する。そんなとき、片付けにために暗室に入った美が一瞬だけ姿を消す。琥珀はイギリスの師匠から、時間跳躍魔法によって発生する過去改変に対する歴史修正作用によって、時の狭間に一瞬飛ばされた現象ではないかと教えられる。その兆しが見えたら未来に戻さないと、時の狭間に閉じ込められてしまうらしい。


© 色づく世界の明日から製作委員会

琥珀古書店店員に相談し、他の魔法使いと協力して瞳美を未来に戻す時間魔法を使う方法を聞き、瞳美に心の準備をしていてほしいと告げる。翌日、台風接近のため文化祭の準備はお預けとなり、強制下校となる。

瞳美「これから雨が降るたびに思い出すんだろうな、わたし。忘れない。唯翔さんのこ…


© 色づく世界の明日から製作委員会

瞳美は再び時の狭間に飛ばされ姿を消す。唯翔達は瞳美を探し回るが見つけられず、消えた場所で瞳美が倒れているのを発見する。琥珀は写真美術部のメンバーに瞳美を未来に帰すべきだと告げる。そして60年の月の光を浴びた星砂を探して欲しいと協力を仰ぐのだった。未来に帰す日は新月の夜。明後日の文化祭後夜祭の後になった。


© 色づく世界の明日から製作委員会

琥珀はみんなを連れて海岸で星砂集めを始めた。それを側から見ていた瞳美は、自分がどうするべきなのか決断しかねていた。その夜、瞳美は飛行機に魔法を乗せて唯翔の元へと飛ばす。飛行機に気付いた唯翔は電灯を付けたり消したりしてモールス信号のように瞳美と合図を送りあう。


© 色づく世界の明日から製作委員会

そして瞳美は再び飛行機を飛ばす。しかしその飛行機は唯翔の家から離れていく。追いかける瞳美の前に現れたのは唯翔だった。瞳美は駆け足を緩めることなく唯翔に抱きつく。その紙飛行機に書かれていたのは「会いたい」の文字だった。

瞳美「唯翔くん…
唯翔「おれも、会いたかった。

感想

瞳美が魔法で紙飛行機を飛ばして、唯翔と出会う。ここはとても綺麗です。最初に「魔法と恋愛」というテーマを考えて、瞳美を過去に吹っ飛ばす設定を作った次に、ここの演出を思いついたという感じがします。これがやりたかったんだろうなあというのは伝わってきました。ただ、『色づく世界の明日から』は瞳美の内面しか描かれていなく、唯翔がずっとポーカーフェイスなので、少しばかりの唐突感は感じますね。

まあこの恋愛模様に関しては良いんです。問題は、というかおかしいと思うところは、琥珀は自分で瞳美を過去に送っておいて、「瞳美を失いたくない」って声を荒げるのってどうなの?いや、時の狭間に吸い込まれる危険性があることを知って送ったの、その当の自分やん。琥珀に振り回されるだけの瞳美がかわいそう。瞳美の親はネグレクトということですが、カエルの親もカエルなのかもしれません。

未来の琥珀が過去に瞳美を送ること自体が決定された織り込み済みの行動なのだろうか。まあ琥珀は無事に瞳美を未来に送ったから、未来の琥珀は瞳美を過去に送ったかもしれませんが、そうなるともう未来に送る魔法の成功が分かっているので、緊迫感もないというか…。でも、ここはよく分からないな。魔法が成功したかどうかは実際のところ未来の琥珀にも分からないだろう。過去の琥珀は本当に目的とする未来に瞳美が行き着けたかは分からないし、未来の琥珀にとっても過去に瞳美を送る前に、瞳美が戻ってくることを確信できない

まあ未来の琥珀が把握していたにしても、ずっと琥珀マッチポンプを見せられたような気がします。未来の琥珀が全てのできごとを把握しているので、ずっと彼女の手の中で踊らされてるような印象を受けて、せっかくの瑞々しい恋愛も空虚に映ってしまいます。

そもそもを言えば、なんで修正作用とかいうデリダみたいな話(デリダコード)を持ち出すのかも理解できない。デリダになんか弱みでも握られてんのか?普通にタイムリミットが来たら元の世界にいきなり戻されるで良いと思うけどなあ。そのための薔薇が枯れたりカメラが再び故障したり伏線まで貼ってたのに、琥珀が未熟なことを示すだけの演出だったのか?

あと普通に瞳美が消えたら同じ場所に出現するってどう考えても想像がつくのに、花壇の中に寝転ぶ瞳美の絵を見せたいだけに捜しまわらせるのは巧くないです。演出のために多少の脚本の破綻は許せるのですが、これじゃ魔法写真美術部が勘の鈍い人たちにしか見えない。