映画『ドラゴンボール超 ブロリー』ネタバレ感想 - ゴジータブルーVSフルパワーブロリー
以前、武道館で行われたワールドプレミアで鑑賞してきましたが、晴れて公開日となりましたので、改めてネタバレ含みつつ、感想を書き連ねたいと思います。
以前のワールドプレミアでは来場者の多くが中に入れないというアクシデントが起こりましたが、どうやら招待状がそのまま劇場でチケットの代わりに使えるという措置が取られるようなので、いい対応をしてもらえたと思います。
実は私の招待状も舞台挨拶後の入場だったためか回収されませんでしたので、もう一回タダで見れます。まあ自分で普通に前売り券も買っていますので、使うことはないでしょうが。
本編全体の感想
まず今回の映画は本当に戦闘描写が史上最強クラスであるということは言っておきたい。ただ戦闘に力を入れすぎるあまり、後半のブロリーとの戦いが大半を占めるという構成になっており、延々と展開される濃厚すぎる戦闘描写に胸焼けと冗長さを感じてしまうことにもなりました。
また今回の映画はテレビで放送されていた『ドラゴンボール超』の時系列にそのまま連なる物語ではあるのですが、登場するキャラクターはかなり絞られている上に、前作前前作にメインで登場したキャラクターのみが登場する内容になっており、テレビアニメを視聴しておらず、映画のみを観ているという人にも鑑賞しやすい作品にするべく作られているものでした。
この映画に限った話ではありませんが、今のドラゴンボールはシリアスな部分を排除した作りになっています。普通に考えれば、自分たちの母星や親兄弟全てを滅ぼしたフリーザと滅ぼされたサイヤ人である悟空やベジータが馴れ合うような今の形はありえないと感じてしまうのですが…ブルマが5歳若返るためやフリーザが5センチ身長を伸ばすためにドラゴンボールを求めるなどコメディに振り切れたシーンが多く見られますし、鳥山明自身がかつてのシリアスなドラゴンボール最大のアンチという意見に同意してしまいます。まあブルマとフリーザの願いの対比は面白かったのですが…
映画予告でゴジータが登場することがかなり早い段階で明らかになり、「公式がネタバレをするな!」とちょっとした炎上につながるということもありましたが、映画公開までの間に超サイヤ人ゴッド超サイヤ人ゴジータの商品展開がなされる関係上、早い段階で公開するしかなかったのでしょう。純粋に映画のみの興行収入をアテにする作品ではなく、様々な商品展開も含めた収益が望めるのがドラゴンボールという作品ですから、このへんはしょうがないかなとも感じます。
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個人的にはゴジータブルーでの決着ではなく、身勝手の極意という新形態の活躍のほうが観たかったなと感じるのもやや不満な点。
後半の戦闘の流れとしては、ブロリー対ベジータから始まり、ブロリー対悟空、ブロリー対悟空&ベジータ、ブロリー対フリーザ、そして最後にブロリー対ゴジータにというものでした。ブロリーは以前の劇場版に登場したキャラクターとは全く異なるブロリーになっていましたが、その強さは圧倒的であり、単体では実質最強という描写でしたね。もちろんウィスなどは除きますが。
戦闘の途中にもギャグ描写が入れ込まれているのは、個人的には微妙ではあるのですが、今のドラゴンボールらしい点。ゴジータになるべくフュージョンの練習をするのですが、お約束通り、何度かの失敗を挟みます。その間はフリーザがブロリーの相手をする流れになります。延々とブロリーにボコられ続けるフリーザには溜飲が下がるのですが、なんだかなあと思うシーンでもありました。
フュージョンが成功し、誕生したゴジータがブロリーを圧倒しますが、トドメのかめはめ波を放とうとするところで、水樹奈々と杉田智和が演じるチライとレモという新キャラ2人がドラゴンボールを使い、ブロリーを助けるという展開で戦闘が終了します。このドラゴンボールの使い方は個人的には悪くなかったかなと思う点です。ドラゴンボールがほとんど関係ないバトル描写ばかりになりがちなところに、いいアクセントになる使い方をしてくれたなと感じられました。
最後は育った星に戻ったブロリーのもとに悟空が挨拶しにいき、自らの名前を名乗って終わりというのがこの映画の結末です。結局単体の映画としてのまとまりはあんまりなかったような気がします。『ドラゴンボール超』の世界観にブロリーというキャラクターをあくまでも味方側として加えようという考えが見て取れる映画だったように感じられました。フリーザが生き返ったのもそうなのですが、よくあるオールスター展開をドラゴンボールでもやろうとしているのが往年のファンからするとあまりいい気がしません。
ブロリーについて
今作の主な敵キャラクターであり、過去作でも非常に大きな存在感を放っていたブロリー。過去作でのイメージがある人にとってはかなり違和感を覚えてしまう形に改変されていました。あくまでも味方側としてブロリーを加えたいという魂胆があるため、邪悪なイメージが完全に払拭された純粋な存在として描かれることに。ブロリーを支える仲間としての役割があるのが、新キャラであるチライとレモ。ブロリーとこの2人がセットでこれからも『ドラゴンボール超』に登場するのは間違いないでしょう。
まとめ
ブロリーという新たなピースを加えて、『ドラゴンボール超』という作品はこれからも続いていくことになると思います。おそらくテレビアニメの放送もそう遠くないうちに開始されるのではないでしょうか。今の作品の在り方は確かに往年のファンからすると歓迎できない点も見られるのですが、作品自体が新たな世代の手に移ったのだと考えることもできると思います。私自身『ドラゴンボール超』が盛り上がることについてはとても歓迎したいのですが、キャラクターを演じる声優陣がもはや限界なのではないかと思うシーンも見られるようになっています。どんな人間も年齢には勝てませんので、『ドラゴンボール』という作品が続く限り、演じられなくなるときがやってくるでしょう。そのときにどうなるのかが今の私には気がかりです。