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アニメ・アイドルのブログ

アニメ『ゾンビランドサガ』11話感想 - 革新的アイドルアニメの構成の妙

2018秋アニメ『ゾンビランドサガ』11話「世界にひとつだけの SAGA」感想です。

前回あらすじ
ご老人たちだけでなく、やんちゃなファンも増えたようだ。優秀なプロデューサーのおかげで、ゾンビィ達も死んでいるにしてはスクスクと成長している。そんなぎゅーらしかゾンビィ達に、新たなステップを踏ませてやることにした。これは、あいつらが必ず登らなければならない大きな山だ。そしてその頂へ向かうためにすべきことは、一つしかない。

第11話あらすじ


© ゾンビランドサガ製作委員会

アルピノライブに向けて動き出そうとした矢先さくらが再びトラックに轢かれてしまう。そして生きていた頃の記憶を全て取り戻したが、ゾンビィだったころの記憶を全て失ってしまった。自分がゾンビィだということも認識できず、フランシュシュのメンバーに恐怖を感じるさくら。


© ゾンビランドサガ製作委員会

目を覚ました後、化粧した愛がさくらの今の状況について説明をするが、さくらはゾンビィになった事実は受け入れたものの、アイドル活動は参加しないと告げ、塞ぎ込んでしまう。


© ゾンビランドサガ製作委員会

その後、サキや純子、リリィやゆうぎりが順番にさくらの説得に向かうも、それに応じることもなく、さくらは屋敷を飛び出してしまう。


© ゾンビランドサガ製作委員会

さくらは自分の過去を思い出していた。白雪姫の主役に抜擢された小学生の頃は、本番の日に体調不良で欠席、リレーも練習を積み重ねて1位になるも運動会当日に毎年肉離れ、中学に入り3年間勉強に邁進するも、受験当日、会場に向かう道中に困ったおばあちゃんが頻出して気持ちを乱され失敗。そして自分は持っていないと悟るが、テレビでアイアンフリルの愛を観て、その眩しさにアイドルになろうと決意した矢先にトラックに撥ねられてしまった。


© ゾンビランドサガ製作委員会

そして、さくらは持っていない自分がフランシュシュのメンバーになると他のメンバーにも迷惑がかかると思い、アイドルになるのを拒否していたのだ。そんなところに巽が顔を見せる。悩むさくらに巽は自分の思いをぶつけるのだった。

巽「俺が持ってるんじゃーい!いくらお前が持ってなかろうが、俺が持ってりゃいいんじゃい!なんかこうでっかい、すっごいなんか、でっかくてすごいの俺が持っとるんじゃい!いいかさくら!だから俺は!お前を絶対に見捨ててやらん!」

感想

ゾンビランドサガ』は話の展開がかなり斬新だなと思っていて、最初はさくらが主導となってフランシュシュの他のメンバーをアイドル活動に参加させていって、その後メンバーのキャラクターを掘り下げるための担当回をやっています。そして今回さくらがアイドルになんかならないと宣言するに至るのですが、これって普通のアイドルアニメとは順序が逆ですよね。

主人公が最初にアイドルになるかどうかの葛藤みたいなのがあって、決心した後は他のメンバーを掘り下げて、最後にメンバーの脱退騒ぎとかそういうのを主人公が解決するという流れが普通のアイドルアニメだと思います。例えば『ラブライブ』や前期の『音楽少女』などもそうでしょう。それを転回したというところに新しさがあって、OPでフランシュシュのメンバーがさくらに手を伸ばしているのも、そういう主人公が逆にメンバーに助けられる展開を示唆しているのかと感じました。

最初からフルスロットルで出来るというメリットがあるのですが、逆に後半に個別回や今回のような主人公ウジウジ回があるので難しいなと思います。それをゾンビィというガジェットを使って無理なく組み立て上げるところに構成の妙があって、巧みだなあと感心しました。ただ終盤のウジウジは個人的にはちょっと微妙ですね。最後の巽のセリフはめちゃくちゃ良かったですが、今までに比べてやっぱり間延びしたような感じは受けました。


なんか終盤に来ても意味深な伏線が色々張ってありそうです。例えば、徐福と名前のついたバーのマスターが、ゆうぎりが生きていた時代から生きていたというような台詞を言っていたりして、しかもそれに巽も対応しているところとか、巽もゾンビィなのか?という謎まで出てきました。ちなみに徐福は秦の始皇帝に命じられて不老不死の薬を求めて日本にやってきたとされる伝説の人物です。

これ2期やる気じゃないかなというのが、ここ数話でヒシヒシと感じているのですが、どうですかね。全ての謎というか伏線を回収しきれずに最終話に突っ込んでいきそうな気がするのですが。2期じゃなくても映画とかOVAとかで更なる展開がありそうには思います。でも出来れば1クールで綺麗に終わって欲しい