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アニメ『色づく世界の明日から』6話感想 - 「入っちゃったの、絵の中に」

2018秋アニメ『色づく世界の明日から』第6話「金色のサカナ」感想です。

前回あらすじ
琥珀を新たなメンバーに加えた「魔法写真美術部」の認可が、無事に学校から下り、懇親会を開くことになった一同。そんな中、瞳美は「まほう屋」の留守番を任されたことをきっかけに、改めて魔法に正面から向き合おうと思い始める。試行錯誤しながらも初めて星砂を作った瞳美は、それを唯翔に渡そうとする。

第6話あらすじ

瞳美からプレゼントされた星砂を使う唯翔の前に金色のサカナが現れる。覚えのない瞳美は不思議がるが、それは唯翔が小学校の時にはじめて賞をもらった絵に描いてあったものだった。瞳美は将に当時の写真を見せてもらう。

その帰り道、将に送ってもらっていた瞳美は、ポストカードを作って魔法屋に置いてもらいにきていたあさぎと出くわす。頭ぽんぽんする将にあさぎはもどかしさを感じる。

あさぎ「将くんやめてください!私もう小学生じゃないんです!

撮影会にグラバー園にやってきたメンバーたち。コスプレや撮影を楽しむ瞳美の前に、唯翔の絵の中から再び金色のサカナが姿をあらわす。金色のサカナに包まれるとそこは唯翔の絵の中だった。

絵の中を彷徨う瞳美の眼前に現れたのは茫漠とした荒野に横たわるサカナの絵と漆黒の狩人が闇の沼でサカナを採っている光景だった。瞳美はサカナを救うために沼に足を踏み入れるが、サカナは死体となって沼に浮き上がってきた。

目覚めた瞳美は唯翔にその体験を打ち明けるが、唯将は自分の心中を覗かれた気がして瞳美に反発する。

唯翔「心配してくれるのはありがたいけど、俺全部話さなきゃいけないの?カウンセリングでもするつもり?魔法使いって何様?
瞳美(魔法なんて、大キライ

唯翔は朝川砂波の個展を訪れ、そこで魔法屋で瞳美に選んでもらった星砂をプレゼントする。唯翔も瞳美に怒ったことを後悔しているようだった。瞳美は琥珀との帰り道、唯翔が個展から出るところに出くわしてしまう。逃げるように踵を返す瞳美を唯翔が追いかける。

唯翔「月白!おれ、描くから!いま描いてる絵出来上がったら、月白に見て欲しい。

瞳美の世界が色づき始めた。

感想

最初に思ったのは『色づく世界の明日から』ってまさか色恋沙汰とか色を覚えるとかの色と掛けただけじゃないよな…ということです。いやまさかそんな安直なアニメをあのP.A.WORKSともあろうものが作るわけないよな…『色気付く世界の明日から』はシャレにもならない。

恋をして色が見えるようになったってのは分かりやすいですが、恋をするだけなら別にタイムスリップする必要ないですし、唯翔の絵だけ色が見えたことの説明と金色のサカナの魔法の説明がうまくつかないです。これを一番うまく説明できるのは唯翔は瞳美のおじいちゃん説なのですが、そうなると瞳美を過去に送った琥珀の性格がかなりやばいことになりやしないか…祖父で自分の旦那に恋させるために過去に送るって…

唯翔の絵に色が見えたことと金色のサカナの魔法の説明はつかないのですが、色が見えるようになったのは恋をしただけではなく、瞳美自身に知らず知らずのうちにかけていた魔法から解放されたという解釈ができます。

私は大丈夫。一人でも平気。言い続けているうちにだんだん本当になっていく。これも魔法のせいなのかもしれない。自分を守るささやかな魔法。…魔法なんて、大キライ。

これは第1話の台詞ですが、一人でも平気だったのがそうじゃなくなった。瞳美は無意識に魔法を発動してしまう体質ですから色が見えなくなっていたのもこの「自分を守る魔法」に囚われていたとも言えるでしょう。唯翔(や写真美術部のメンバー)と出会ってそれが解かれたとも考えられます。

しかしこの考え方にしてもなぜ魔法が解かれたかは、恋をして一人よりも二人がいいと思えたからでしかないので結局のところ堂々巡りなのですが。まあ恋でなくても友情とかそういうのでもいいのですが、恋の方が描写的にはしっくりきます。


今回は絵の中の描写が特に良かったです。PAらしいなというか水面に映る花火とかすごく綺麗で、全部を語るのではなく抽象的な描写に止めることで逆説的に多くのことを語っているようで、アニメの良さがよく出ていました。また色が見えたことによる衝撃で傘もささずに帰ったシーンも良かったです。なんか今回は『色づく世界の明日から』に今まで足りなかったなと思うところを丁寧に描いてくれた気がします。もう少し欲を言えば唯翔の気持ちが前向きになるところも丁寧に描いて欲しかったなとは思います。

台詞では「魔法なんて、大キライ」を身構えていたところにちゃんと言ってくれて嬉しかった。あと胡桃の「話さなくていいよ、友達でしょ。」もいい台詞です。友達だから話してよと普通はなりそうですが、友達だから隠しごともできるというのが本当に良い関係なんでしょうね。