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アニメ・アイドルのブログ

アニメ『やがて君になる』3話感想 - 先輩、どれだけあたしのこと好きなんですか。

2018秋アニメ『やがて君になる』第3話「まだ大気圏/わたしを好きな人」感想です。

前回あらすじ
燈子から推薦責任者として一緒に生徒会の選挙活動をして欲しいとお願いされた侑は、人前が苦手という事もあって困り果てていた。ビラ配りやポスター作りだけではなく、全校集会での応援演説もあるからだ。自分よりも、入学以来燈子を支えてきた沙弥香の方が相応しいと思う侑だったが・・・。一方で沙弥香は、なぜ燈子が自分ではなく侑に推薦者を依頼したのかが気がかりで・・・。

3話あらすじ

まだ大気圏

帰り道、一緒に帰る燈子に選挙が終わったら生徒会に入ろうと誘われるものの断る侑。駅に向かう燈子といつも別れる場所でさよならを言う侑だったが、燈子は本屋に寄りたいと、侑と同じ道を歩く。実はその本屋は侑の家だった。

その夜、姉に彼女が来たのかとからかわれ、侑は否定する。すると父に「もしそうだったらひっくり返る」と言われて複雑な思いになる侑だった。

侑はと中学の友人の菜月に誘われ、街に遊びに出る。ゲームセンターなどで遊び映画を見る。恋愛映画で映画の感想を語り合っていると、菜月は朱里に先輩に早く告白しろよと囃し立てる。しかし朱里はもう振られた後だった。朱里は気丈に振る舞うが、その言葉には悲しみが滲み出ていた。

侑(まるで練習したみたいにスラスラと話すあかりは、その言葉を、何度並べて、飲み込んで、整理したんだろう…

後日、侑が本屋の手伝いをしていると燈子がお土産を持ってきた。

侑「先輩、どれだけあたしのこと好きなんですか。
燈子「なに、その台詞。…大好きだよ。

燈子のお土産はホームプラネタリウムだった。星が好きだから嬉しく感じるが、燈子の愛には戸惑う侑だった。

わたしを好きな人

選挙演説当日。沙弥香が侑を励ましにくる。沙弥香の燈子に対する強い信頼を感じる侑。しかし燈子は緊張しているような素振りだった。自分が外の空気を吸いたいという理由で、燈子も緊張を解いてもらうために外に連れ出した侑。燈子はその気配りに、侑の袖を掴み手の震えを抑える。

侑「震えるほどなら佐伯先輩や誰かに頼ったらどうですか?
燈子「それはダメ!
燈子「…沙弥香もみんなも、わたしのこと信じてくれてる。失望されたくない。

燈子がそうなったのは過去の出来事があったからだという。侑は、燈子のことは完璧だと思ってないから私には弱みを見せてもいいですよと燈子に告げる。燈子は侑の肩に頭をもたれかける。侑は燈子の髪を撫でる。

侑(わたしの前では特別になろうとしなくていいよってもう言ってたんだ、わたし。…これが、先輩の特別…。

演説の時間になる。壇上に上がる侑は燈子に対する思いから、アドリブで生徒会に入り燈子を支えることを宣言する。燈子は無事当選。侑は燈子のそばにいることを決心するものの…

侑(この人の近くにいようと決めた。そのために私が諦めなければならないものがあることにこのときはまだ気付かなかったんだ。

感想

分かんないなあ。まず燈子が侑を好きになる理由は、侑はわかったみたいだけど私には分からない。侑が誰のことも特別に思わないと告白したことで、燈子が侑を好きになるのに至るのがまず分からない。侑になら弱さを見せられるというのは分かるけど、それが好きとなるにはかなりの論理(いや感情のか)の飛躍があるように思える。「特別」であることと好きが完全に同一になっていて、好きでもないのに好きだと思い込んでるんじゃないかと。

そしてそれって結局、侑が燈子のことを好きになっちゃいけないってことと同義になるんだが、それでいいのだろうか。2話で燈子が侑に付き合えとは言わないと言ったのは、それを意図しているように思うが、もしそうだったら燈子はとんでもなくわがままな人間だろう。

燈子「小糸さん。付き合ってなんて言わないから。小糸さんは誰かを特別に思えないって知ってる。私のことも好きにならない。それでいいの。…だから、好きでいさせて。」

まあ作中でもワガママな人間だということは描かれているが、正直他人をなんとも思っていなさすぎるというか、完璧を演じていることを含めて典型的な自己愛性パーソナリティ障害です。そういう描写を目指しているのならいいけど、その解釈でいいのかなあ…

一方で侑は可愛い。でも侑は侑でダメな人を放って置けないというか身を滅ぼすパターンの女の子だと思う。まあ最後も意味深な終わり方だったので、そういう話になる可能性もありますが…ただ私は好きです。「先輩、どれだけあたしのこと好きなんですか。」とかめちゃくちゃ言われたい。

アニメとしての演出面は丁寧です。特に間の使い方が上手くて、例えば間接キスするときの妙な燈子の間と、そのあと目を背ける侑。その静寂に個々の心情が言葉にするよりも強く描かれているように思います。恋愛アニメとしては面白いですが、アニメの視聴者層的には人気があまり出なさそうなストーリーではあります。