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アニメ『あかねさす少女』3話感想・考察 - シリアスカの目的、イコライズの地平

2018秋アニメ『あかねさす少女』3話「ウェディング・ベルが鳴る前に」

前回あらすじ
占い師に教えられた不可思議な数字を足掛かりにし、またも「4時44分の儀式」を執り行う一同。そのひとり、奈々が目を開けると、そこは先程までとは別の場所だった。眼の前にいるのは、いつもと違う制服のラヂ研メンバー。話の流れも様子がおかしく、明後日、自分は結婚するらしい……。自宅でも、母と継父から結婚前提の話をされる奈々。その不条理に継父への複雑な感情も入り混じり、声を荒げる彼女だが、そこに誰かが訪ねてくる。ドアを開くと現れたのは、今をときめく芸能人……。そう、彼女の結婚相手はなんと――。

第3話あらすじ

パラレルワールドの千葉トモヤと結婚すると宣言した奈々。ラヂ研の4人はここは違う世界で元の世界に戻ろうと説得する。しかし奈々は元の世界でただのJKになるよりも、この世界でセレブ婚する方がいいから戻らないという。奈々が一緒に帰らなければ、元の世界では行方不明扱いになるとシリアスカ(以下アスカ)から告げられてしまう。

翌日、奈々は婚姻届を記入しなさいと母に言われる。そこで千葉トモヤは芸名であり本名は千横場智也だと判明。奈々と結婚するとチョコバナナとなるため結婚は絶対嫌だと手のひらを返す。

一方で、ラヂ研の4人は野宿で一夜を過ごしていた。はなぜ奈々がラヂ研部員でもないのに一緒に行動しているのかを尋ねる。それは明日架がシカトする奈々に2ヶ月間根気強く話しかけて奈々が根負けした結果だという。そこに奈々が原付で現れ、結婚したくないと4人に打ち明ける。

そこにやってきたのは結婚執行局。結婚をスムーズに成就するための機関といい、奈々を連れ去ってしまう。ラヂ研の4人は逸れたアスカを見つける。彼女は雪ウサギを倒していた。アスカと合流し、4人は彼女の行動理由を聞く。

そこに696.9の世界の明日架3がやってくる。明日架とアスカはテーブルの下に隠れるが、明日架3は奈々が結婚するといい、明日架とアスカは顔を出してしまう。明日架3は勝手に勘違いしてことなきを得たが、明日架たちは奈々の式場へと急行する。わかりにくいな…

奈々は軟禁されウェディングドレスを着させられる。そこで義理の父に、奈々が捨てた鉱石ラジオを手渡される。その鉱石ラジオは前の父親との思い出の品だった。奈々は「強い意志を持って歩んでほしい」という父の言葉を思い出す。

式場へと移動させられる奈々。トモヤとの愛を誓うのを拒否し、式場から逃げようとする。そこに明日架たちが乱入。2人は抱き合うが、激昂したトモヤが正体を現す。それでも奈々は自分の意思で生きたいと叫ぶ。

奈々「やだ!私もう流されない!自分の人生を生きるの!パパが言ったみたいに強い意志を持って!

すると奈々の手元にカセットテープが出現した。Duplicateしたアスカはトモヤと戦うが、アスカが力負けしてしまう。奈々はアスカのラジカセにさっき出現したカセットテープをセットする。

奈々「あかねさす 我 出でよ!Duplicate!

変身した奈々はトモヤを圧倒、撃破する。トモヤは黄昏の王の僕だったようだが、何も言わずに消滅してしまう。

奈々は元の世界に戻り、ラヂ研の入部届を提出した。そして彼女は父の言葉を胸に生きていく。

アスカの目的

まずアスカの目的の前に、このアニメの世界観が語られました。それによると

  • フラグメント(世界線)は誕生し続けていると同時に滅び続けている
  • フラグメントの消滅は僅かな綻びから生じる
  • やがてクラッター(ウサギのようなノイジーやトモヤ)によってその綻びに爆発的に侵食される

ということです。フラグメントが滅び続けているというのは面白いですね。最初周波数の4桁(もしくは5桁?)の数値で世界線が記述できるというのは少なすぎないかと思ったのですが、一定の数が決まっていてそれを超えると滅んでいくのであれば納得できます。

そしてアスカの目的は

  • アスカの住んでいる世界は大規模侵食が進み滅びに瀕している
  • 完全な滅亡を免れるためには黄昏の王を倒さなければならない
  • 黄昏の王を探すためにクラッターを倒し続けている

とのこと。しかし黄昏の王の目的がよくわかりませんし、黄昏の王ってなんなのでしょうか?個人的には物理的な制約によって、フラグメントの個数が一定に保たれているという方が納得できるのですが、フラグメントの生死を黄昏の王が握っているというのが少しイメージできません。黄昏の王というものが概念的な何かという可能性もありますが。

これで前回記事で書いていた謎が解明されました。

もう一つはフラグメント(世界線)の数値で元いる世界が633.0、十数年前に分岐したのが696.9、前回の633.0と似ても似つかない世界が633.1です。普通近い分岐の方が数字が近い気がするのですが関係ないのでしょうか?

633.1は近い世界なんでしょうが、クラッターによって滅びつつある世界になっているのであんな黄金色の姿だったのでしょう。

イコライズの地平

奈々がデュプリケート可能になりました。これをアスカはイコライズの地平に達すると表現しています。イコライズの地平とは

自我の未成熟な部分を克服し、完全なるイデアに近づくことで人は異物を排除できるイコライザーとなる資格を得ること

ということです。イデアというのはプラトンの哲学的概念で「物事の真の姿」という意味です。簡単な例を出せば三角形を紙の上にいくら綺麗に書いても、それは直線には太さがありますし、少しのズレもあるでしょうから真の三角形ではありません。真の三角形は想像(プラトン哲学では天上界)の中にしかなく、それが三角形のイデアになります。

この作品の場合はそこまで厳密な意味ではなく、「理想の」くらいの意味ではないでしょうか?新しいパパを認め、自分の生き方を見つけ、理想の奈々の人格に近づいたためにイコライザーとなれたということでしょう。アニメやゲームで近いシステムといえば『ペルソナ』シリーズがあげられるかと思います。

その他の感想

バトルはしばしば入りますが、バトルアニメというよりも可愛い女の子の緩めのSFアニメという感じで、隠し味的にバトルが使われています。ダラダラとバトルやられるよりも断然こっちの方が好きです。ちくわ推しとか名前がチョコバナナになるから嫌とか、ちょっとB級っぽい感じも個人的には好ましく思います。

『あかねさす少女』のゲーム

ちなみに本日よりスマホゲームが配信されています。アニメが面白いと思った方は一度遊んでみてはいかがでしょうか。
あかねさす少女をダウンロード(iOS)