アニメ『BANANA FISH』14話感想 - アッシュを中心に描かれるアメリカの闇
2018夏アニメ『BANANA FISH』14話「夜はやさし Tender is the Night」感想です。サブタイトルはフィッツジェラルドの小説です。
前回あらすじ
オーサーとの決着をつけるためにアッシュは指定された場所へ向かう。残された英二が目が覚めると、日本に帰るように、というアッシュの伝言を仲間達から伝えられる。しかし、アッシュがオーサーとの戦うことを知り、仲間達を振り切って彼の元へ向かうのだった。
第14話あらすじ
空港で英二を待つ伊部とマックス。しかし伊部は英二を親友であるアッシュから離していいのか逡巡していた。そこにマフィアの抗争のニュースが飛び込んでくる。マックスはアッシュがオーサーと決着をつけたのだと察し、英二のところに向かう。
アッシュは持ち前の精神力で一命を取り留める。英二は地元警察に拘留されていた。シンと英二は拘留を解かれ外に連れ出される。そこに待っていたのは月龍だった。シンはケインと仲間の釈放を約束させる。
月龍と屋敷に戻ると、兄の華龍がバナナフィッシュによって廃人となっていた。月龍の恐ろしさに戦慄するシン。英二は月龍に軟禁させられる。月龍はアッシュは孤高の存在であり崇拝者か敵対者しか存在すべきでないといい、英二の存在は邪魔だと感情を露わにする。敵意を剥き出しにする月龍に英二は怯まず正対する。
アッシュはチャールズらと面会する。そしてIQテストを受けることとなり、アッシュはIQ180を叩き出す。そのテストはキッパード共和党議員らの差し金で、アッシュの殺害を命令する。
議員のスパイ看護師は薬物を投与しようとアッシュに近づくが、その企みを看破。任務に失敗した女は警官を射殺し自身も自殺する。暗殺失敗を受けFBIが乗り出すことになる。FBIは精神に問題ありと託けて、精神センターにアッシュを移動させる。一方でマックスは知り合いのツテでGOOSEの二重帳簿やバナナフィッシュに関する汚職を暴こうと動き始める。
その後、アッシュが死亡したというニュースが流れるのだった。
感想
主題歌が変わりました。オープニングはBLUE ENCOUNTの「FREEDOM」、エンディングはSurvive Said The Prophet「RED」です。BLUE ENCOUNTは『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』のオープニングテーマ「Survivor」などを担当していました。Survive Said The Prophetは私の記憶と調べたとこでは初アニソンだと思います。
FBIや米軍、政府まで巻き込んでどんどん話が大きくなっていきます。普通のアニメだったら与太話みたいな内容なのですが、しっかりと背景描写がされていて物語に現実性が生み出されています。実際のところアメリカの上層部(まあアメリカに限らずどこの国でも)なんてのは全然清廉潔白でなくて、このアニメで描かれていること以上にダーティーな世界なんでしょうが、そういうものの片鱗を描くアニメというのは貴重です。
最近のアニメは気を張らずに楽に見られるものが多い中でこういうアニメを放送するというのはアニメ業界にも重要なことだと思います。フジテレビのノイタミナ枠は商業主義的でない作品もしばしば流れているので、良い枠です。フジテレビバラエティー班の干渉を受けないアニメをこれからも作り続けて欲しいものです。
さてとIQテストのところでフィボナッチ数列云々のところがありましたが、あれは高等数学なんでしょうか?IQの高い人間を描くときに自分のIQが例えば130だったらそれ以上の人物は描けないという問題点があります。天才キャラは難しい。IQが高いのに殺人犯かというFBIの台詞がありましたが、高IQの猟奇殺人犯も多い(アッシュのは無差別ではなく意味のある殺人行為ですが)です。特に幼い頃に性的暴行を受けた人にも散見され、アッシュもそれと同じなところもリアリティーがあります。