アニメ『やがて君になる』2話感想 - 恋の気付き、突然のキス
2018秋アニメ『やがて君になる』2話感想です。
前回あらすじ
すっかり桜の花も散り、高校生活に慣れ始めた頃になっても、一年生の小糸侑は部活動を決めかねていた。友人たちとそんな話をしていると、先生から「生徒会はどうだ?」と誘われる。興味を抱いた侑は貰った地図を頼りに生徒会室に向かうと、途中で話し声が聞こえてきた。気になった侑はこっそり覗き込むと・・・。
第2話あらすじ
燈子に選挙の推薦責任者になってほしいと頼まれた侑は、責任の重大さに悩んでいた。自分よりも沙弥香が適任だと思うのに、なぜ自分が指名されたのだろうと不思議に思う。それは「好きになりそう」と言われたことと関係があるのだろうか。
沙弥香は自分が責任者になると思っていたのに、侑に頼んだことで不機嫌になっていた。なぜ侑を責任者に選んだのか尋ねる沙弥香。燈子は1年生にも選挙は他人事じゃないということを知ってほしい、そして当選したら役員として誘うために信頼関係を築きたいと言う。
沙弥香「そう…つまり私よりも、あの子との信頼を深めたいわけね」
燈子「私たちの間に今更そんなの必要?」
沙弥香「もう…ずるいんだから」
沙弥香は侑に自分の作った応援演説原稿を参考にしてほしいと手渡す。沙弥香と燈子の思いを無下にできない侑は責任者になることを承諾する。
帰り道、侑は燈子に「好きになりそう」と言われた意味を聞く。はぐらかす燈子だが侑の一言で不意に立ち止まる。
侑「そもそも女同士ですし…まあ女同士じゃなくても、わたし、好きになるとか…ないですけど」
そして電車が踏切を渡る瞬間、燈子は侑に唇を合わせる。予想外のできごとに侑の時間は止まったように感じられた。
燈子「私の好きって…こういうことしたい好きだったんだ…」
2人は無言で再び歩き出す。
燈子「どうしよう…」
侑「そんなの…私が聞きたいです」
後日、選挙の打ち合わせの日。打ち合わせ終わりに侑は燈子に呼び止められる。燈子はキスのことを謝る。侑は気にしていないと言う。
侑(初めてのキス…なにも、感じなかった)
選挙準備は順調に進む。そこには燈子が侑にキスした素振りは全く感じなかった。新聞部の撮影取材で侑は燈子の手をわざと握って燈子の反応を確かめる。燈子は顔を赤らめる。
侑(ずるい…!七海先輩は私と同じだと思ったのに…手を握るくらいでそんな顔するなんて…!先輩はもう特別を知ってるんだ。私もそっちに…行きたいのに…)
侑は自分には特別は訪れないと落ち込む。侑は燈子にはっきりと好きになれないことを告げようと決心する。ところが…
燈子「小糸さん。付き合ってなんて言わないから。小糸さんは誰かを特別に思えないって知ってる。私のことも好きにならない。それでいいの。…だから、好きでいさせて。」
侑(なんで構わないって言っちゃったんだろう…この人は、やっぱり、ずるい)
感想
「やがて君になる」というタイトルの意味がようやく分かってきました。君というのは燈子のことで、自分にとって特別を見つけた燈子に先を越された、侑が最終的には自分の特別を見つける(=君になる)物語だと推測できます。普通の三角関係は、それぞれの頂点から出る矢印が双方向にならない関係ですが、『やがて君になる』に場合は侑からはなんの矢印も出ていないというのが面白いところですね。
恋愛物のアニメは気付きの過程というのが私はすごく好きで、その過程が詳しく描かれているほど恋愛アニメとしてはいい出来だと思っています。この作品は侑の気付きの過程を丁寧に描こうとしている部分は非常に好感が持てます。
しかし逆に燈子の方はさっぱりわかりません。ただこれは、侑の一人称的物語だからでしょうが、それにしてもおっさんには若い子の機微ってのは良く分かりませんね。例えばなんで燈子は侑にいきなりキスしたのかこのときの燈子の感情を説明せよと言われても難しいです。「燈子を好きになることはない」と言われて、自分の中に悔しい思いが湧き上がって自分の中にある好きという気持ちに素直になれて衝動的になったのでしょうか。それにしてもいきなりキスってやばいやつですが…分からなさすぎて悶々とします。
沙弥香と侑の両方の燈子に対する評価がずるいというところも面白いです。沙弥香のずるいは、自分の気持ちにも半分気付いていながらうまくはぐらかす燈子に対してでしょうか。一方で侑のずるいは、純粋に先を越されたずるさに起因していますが、後半のずるいは自分のわがままを通す強かさにずるいと言っているので沙弥香と同じ心情とも言えます。そして沙弥香が闇堕ちしそうな雰囲気も気になります。後半かなりギスギスしそうな感じがするんですが、半分怖いもの見たさで楽しみです。
最後に燈子の声なのですが、寿美菜子さんのたまに少し太い声が出るところが若干気になってしまいます。もう少し可愛らしい雰囲気の声が私のイメージには合っているのですが、どうでしょうか。