アニメ『やがて君になる』1話感想 - 恋をしたことのない女の子が女の子に恋をするとき
2018秋アニメ『やがて君になる』第1話「私は星に届かない」感想です。
イントロダクション
人に恋する気持ちがわからず悩みを抱える小糸侑は、
中学卒業の時に仲の良い男子に告白された返事をできずにいた。そんな折に出会った生徒会役員の七海燈子は、誰に告白されても相手のことを好きになれないという。燈子に共感を覚えた侑は自分の悩みを打ち明けるが、逆に燈子から思わぬ言葉を告げられる──「私、君のこと好きになりそう」
スタッフ
原作:仲谷鳰(「月刊コミック電撃大王」連載) / 監督:加藤誠 / シリーズ構成・脚本:花田十輝 / キャラクターデザイン:合田浩章 / 音楽:大島ミチル / アニメーション制作:TROYCA
キャスト
小糸侑:高田憂希 / 七海燈子:寿美菜子 / 佐伯沙弥香:茅野愛衣 / 槙聖司:市川太一
第1話あらすじ
恋を知らない新入生の小糸侑は部活をどこにしようか悩んでいた。そこに担任から生徒会に入らないかと勧められる。生徒会室は学校の敷地の森の中にあり、そこに向かう途中に男子生徒が女子生徒に告白するシーンに出くわしてしまう。
女子生徒は男子生徒を振るが、その様子を覗き見ていた侑は女子生徒の凛とした姿に心をつかまれる。女子生徒は生徒会役員の七海燈子。燈子は侑を生徒会室に案内する。風が2人を撫でる。新しい体験を予感させる出会いだった。
橙子「誰に告白されても付き合うつもりないだけだから。」
侑には中学の卒業式に男性に告白されたことがあった。でも今だに返事ができずにいた。友人に相談しようかと思ったけど、恋を知っている友人と知らない自分には大きな溝があるような感じがしていて、侑は燈子に相談しようと思い立つ。
燈子は今まで10人以上の男女に告白されたが恋に興味がなくすべてふってきたという。それを聞き、相談を持ちかけようとするが邪魔が入ってしまう。その夜、侑は告白された相手から返事を催促され、放課後に話すと約束する。侑は返事の前に燈子に相談しようと生徒会室を訪れるが、なかなか話を切り出せない。その様子を察した燈子が侑に話すきっかけを作ってあげるのだった。
侑は告白された男のことは好きだという。そしてずっと憧れていた恋ができると思っていた。だけどいざ告白されたとき、浮かれるような高揚感を感じず返事を保留してしまった。燈子は侑の気持ちを斟酌して、そのままの君でいいと侑を励まし、手を握る。侑は告白を断ることができたが…
侑「先輩は、私と同じじゃないんですか」
燈子「ううん、違う!だって…だって、君のこと好きになりそう」
感想
直球ど真ん中の百合アニメです。百合アニメに男が出ることは珍しいですが、これは原作者の仲谷鳰が「男子がいる中でも女子を選ぶ」ということを表現するためにあえて共学にしているそうです。よって「ゆるゆり」のような美少女動物園の延長上としての百合ではなく、ジェンダー的文脈での百合を描いているとも言えます。
アニメは空気感をすごく大事にしていることが分かります。そのためその空気感をできるだけ表現するようなあらすじを文章で書くのを頑張ったのですが…難しかったです。多分できていないので是非アニメを観てください。すべてを言葉でこと細かに説明するということはなく演出で魅せるアニメです。あらすじ部分も私が勝手に解釈した部分がありますので、制作の意図とは異なるかもしれません。
燈子が侑の手を握ったあと、急に侑に恋愛感情を抱くのですが、侑はそれを分からないと言います。侑には恋という気持ちを知らないので、分からないのは当然ですが、私にも分かりません。侑の笑顔に何か惹かれるものがあったのでしょうか。まあ実際恋なんて、よく分からん理由で好きになるもんでしょうけど。
最後の選挙応援を侑に頼む燈子を見る佐伯沙弥香の背中のシーンは意味深です。沙弥香も参戦して三角関係のような感じになるのでしょうか。まあギスギスになることはないと思いますが…