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アニメ『天狼 Sirius the Jaeger』10話感想 - クラルヴァインの最期、そして匣の封印が解ける

2018夏アニメ『天狼 Sirius the Jaeger』第10話「深淵にさまよう狼」感想です。

前回あらすじ

樺太の山奥で、匣と、そして父であるアレクセイについて知る老人・赤坂に出会ったユーリィ。だが、赤坂は頑なに情報を渡そうとしない。父親がこの樺太で何をしたのか、そして今どうしているのか……。大泊に戻ってきたユーリィとビショップは、樺太に着いたばかりの伊庭と涼子に出会す。その夕暮れ、涼子から「父親は、愛する家族を守ろうとするもの」と語られるユーリィは、星を見上げ、父親に思いを馳せるのだった――。翌日、再び赤坂から話を聞くユーリィ。彼が口を閉ざしていた理由は、ある大切な「約束」にまつわるもので……。
脚本:小柳啓伍 / 絵コンテ:岡村天斎 / 演出:塚田拓郎 / 作画監督:川面恒介、森島範子、杉光登 / 作画監督補佐:宮崎司、小島明日香 / 総作画監督松浦麻衣、佐古宗一郎

第10話あらすじ

古文書を解読したウィラードたちはドッグヴィルで隠し部屋を発見する。そこは分祀されたシリウスの聖域であり、匣の封印を解くための鍵となる珠が置かれていた。ウィラードはそれをユーリィに届けるために南樺太へと向かう。

ユーリィとビショップは、クラルヴァイン戦闘に突入していた。クラルヴァインはヴァンパイアを量産型機械人間にし、ヴァンパイアに規律的な行動能力を持たせ軍隊化していた。クラルヴァインはヴァンパイアには「死に至る病」が蔓延しているといい、機械人間はシリウスの匣でなんとかできないかと藁にもすがる思いでクラルヴァインの元についたヴァンパイア達だった。
クラルヴァイン「それではご挨拶!我が名はクラルヴァイン!

高い防御力と銃器に苦しめられるユーリィ達だが、ビショップがヴァンパイアの火炎放射器のガスをうち爆発。さらにユーリィはクラルヴァイン戦車の砲弾から逃げ回り、雪崩を発生させて自滅させることで撃退する。

ユーリィとビショップはシリウスの聖域にたどり着く。匣の封印に足を踏み入れるが、兄のミハイルと同じく一旦は拒絶されるものの、強靭な意志で封印の中に取り込まれる。

ユーリィは走馬灯のように過去を回想する。そして幼児期に至り、ユーリィ赤坂とアレクセイの会話を見る。赤坂は匣を奪取するためにドッグヴィルへと来たが、ドッグヴィルの人々のことを思うと任務を果たせないでいた。グスタフはその赤坂をシリウスの匣の秘密を知ったものとして、始末しようとする。しかしアレクセイは人間との共生を目指し、封印することを提案するのだった。

匣が封印された場所でユーリィはアレクセイと出会う。
ユーリィ「だれかの幸せのために他のだれかが犠牲になれなければならないなんて間違ってる!匣を封印する以外の術を探したい!

アレクセイは説得に応じ、ユーリィは匣の封印を解く。その瞬間を虎視眈々と狙っていたエフグラフであった。
エフグラフ「血の盟約によって人間どもの忌々しい軛から解放されて千年、不死の力を持つヴァンパイアとなり悠久の時を支配してきた…私にとって至福の時だった…その末路がこれか…
エフグラフ「否…私は抗い続ける!たとえ最後のヴァンパイアになろうとも…下等たるシリウスどもの力を使おうとも…

感想

ついに匣の封印が解かれました。「今のユーリィにはこれが必要」とか言って珠を持ってウィラード が喋ってましたが、あれはどこで必要になるんでしょうか。てっきり匣の封印はあれがないと解けないのだと思っていましたが。

クラルヴァインはやっぱりいいキャラ。声優はカミーユ役の飛田展男。自分の砲弾の雪崩で自滅ってすごい古典的というかなんというか…もうコメディーの領域なんじゃないかと。最初から最後まで「らしい」存在でした。

死に至る病」というのはキルケゴールの哲学概念および著書として有名です。そこでは「死に至る病は絶望である」と述べられ、「絶望とは自己の喪失である」とも述べられています。噛まれてヴァンパイアになることは「自己の喪失」であることは明らかですから、ここからインスピレーションを得た設定である可能性は高いでしょう。

涼子や伊庭はこれで出番がないのでしょうか?このままだと正直なんのために樺太に来たのかよく分からないのですが…すべてのピースがカチッと嵌らないとなんかモヤっとします。結局ユーリィにとっての涼子は何だったのかもよくわかりません。ユーリィの兄ミハイルや父親アレクセイへの依存度が高すぎて、ここから重要な役割を果たすとは思えないんですが…