かおすもにゅめんたむ

アニメ・アイドルのブログ

アニメ『プラネット・ウィズ』7話感想・考察 - 銀子の過去、そして戦いは封印派vs穏健派へ

2018夏アニメ『プラネット・ウィズ』7話「シリウス」感想です。

前話あらすじ

白石こがねは、ネビュラ・封印派のスパイだった。グランドパラディンは崩壊し、ひとり残った龍造寺隆は念力合体した閣下と白石を相手に激しい戦いを繰り広げていた。閣下は龍造寺隆の力や信念に、かつて宇宙政府ネビュラで歪んだ正義を振るい、時空追放刑に処された「龍」の存在を思い出す。激戦の末、暴走して龍と化した龍造寺隆を相手に、宗矢、銀子、先生たちも、最後の力を振り絞って対抗する。

第7話あらすじ

龍造寺隆との激戦の結果、二日酔い状態となってしまった宗矢は、自身と銀子の過去に関する夢を見る。銀子はリエルの姫だった。リエルは力を持ったシリウスに侵略されており、銀子はシリウス人に捕らえられそうになるところを、先生に助けられる。シリウスのリエル侵略に対して、龍は暴走した正義感を振り翳し、シリウスを襲撃。民間人を含めシリウスを滅亡させてようとする。

ネビュラ穏健派である先生は、同行を希望した銀子と一緒に龍を止めるためシリウス星に向かうが、そこはもう灰燼と化していた。唯一の生存者である宗矢を発見して救出する。龍は宗矢も殺すというが、先生はシリウス人にも、愛の進化種族候補になり得るということを証明するために、宗矢を自分の手で育てると宣言する。龍はネビュラのサイキッカー達によって時空追放刑に処される。

二日酔いから醒めた宗矢は学校へ登校する。学校ではのぞみが出迎えるが、大半の生徒は他の街へ引っ越してしまっていた。屋上で戦いのことを考えていた宗矢に、封印派秘書・白石こがねが制服コスプレをして現れる。こがねはサイキックで宗矢を洗脳させ体育館倉庫に連れ込もうとするが、そこをのぞみに見つかる。のぞみも同様に洗脳しようとするが、なぜか効かない。

学校からの帰り道、公園で宗矢は兄の姿を見る。兄は、「自分は兄ではなく宗矢にはそう見えているだけ。私には実体がない。」といい楽園の民と名乗り、忽然と消えてしまう。

そこに現れた白石こがねと鷹取紅華と羊谷陽介。彼らは封印派として正式に穏健派である宗矢と銀子に宣戦布告します。しかし宗矢は「俺はもう戦わない」と宣言し家に帰るのだった。

感想

戦いが終わっても展開が早いですね。まず、ネビュラは愛の進化種族と言っていますが、愛とは何でしょうか。一般的な常識で言えば、封印派がやろうとしていること(未成熟種族を自分の都合で操作すること)は愛に基づくものだとはあまり考えられません。ここは3話の先生と閣下の会話でも語られています。

  • 先生「封印された種族は進化の道を閉ざされる。それは愛の進化種族の選択として正しいのか?
  • 閣下「滅びるよりは悲しくないさ。

ただし封印派のいうことにも一理あります。結局これは、観ている人がどちらに共感するかの問題だと思います。なので穏健派vs封印派はどちらが敵かというのははっきりしないです。この意味でも『プラネット・ウィズ』は機動戦士ガンダム』的コンテクストのアニメだと私は感じています。

そしてシリウスを滅ぼした龍もネビュラの一員だったことは忘れてはいけません。龍もシリウスのリエルに対する侵略の報復としてやった行為ですから、完全なる悪(これも定義が難しいが)ではないと思います。愛の発露の仕方で行動が全然異なります。これは規模は異なりますが現実世界でもあることでしょう。

次に楽園の民の存在です。この正体はまだまったく不明でネビュラである白石こがねにも見えていなかった(ただし嘘の可能性がある)ことから、ネビュラの仲間ではないと推測できます。ただ宗矢にとっては兄の姿が見えたことから、ネビュラウェポンの中に入ったときに見せる幻想のような感じもするんですよね。その辺に何か関係があるのでしょうか?

最後は、宗矢が「戦わない」と宣言します。宗矢の目的は復讐で、シリウスを滅ぼした龍の力を使うグランドパラディンが宗矢のその対象だったわけで、龍の力が入った小瓶を回収すれば復讐は完了しているので戦う目的はありません。『プラネット・ウィズ』が面白いのは、地球の運命が地球人ではなくシリウス人と着ぐるみ族に懸かっているところです(紅華と陽介は地球人で封印派に付いたが)。宗矢の戦う意味は見つかるのでしょうか?普通のロボットアニメなら、ヒロインの高天原のぞみや街を守りたいとなるんですが、このアニメは一筋縄ではいかないでしょう。そして、のぞさんにサイキックが効かなかったのも重要な伏線になりそうです。