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アニメ『BANANA FISH』6話感想 - 不器用な父親の愛情、伊部のアマデウス症候群

アニメ『BANANA FISH』第6話「マイ・ロスト・シティー My Lost City」感想です。

あらすじ

グリフィンが「バナナフィッシュ」の資料や写真を残しているのではないかと考えたアッシュ達は、アッシュの故郷であるケープ・コッドへ向かった。アッシュの家に着くも、父・ジムには冷たくあしらわれてしまう。アッシュを追い出そうとするジムに、英二とマックスが理由を問い詰めると…。

脚本:瀬古浩司 / 絵コンテ:松田清 / 演出:松田清 / 作画監督:飯山菜保子、新井伸浩、小松寛子 / 総作画監督:山田歩

第6話あらすじ詳細

アッシュの故郷であるケープコッドへとバナナフィッシュに関する資料を求めてやってきた4人。アッシュの家に着くが、母親のジェニファには歓迎されるものの、父親のジムには邪険に扱われる。アッシュはグリフィンと異母兄弟であることを告げ、自分の住んでいた家に英二らを招待する。そこで兄のグリフィンのアルバムにドースンが写っており、そこにはアッシュがバナナフィッシュを受け取ったときに託された「Los Angeles Westwood 42」という住所が書かれていた。

トラックの修理のためにしばらくケープコッドに滞在するが、その折、英二がジムになぜアッシュを邪険にするのかを問い詰める。マックスは自分がグリフィンのイラク戦争での友人だったことを明かすと、ジムはアッシュの過去を語り始める。

アッシュにはアフガニスタン帰還軍人に7歳のときに性的暴行を受け、警察に通報したが一切取り合ってもらえず、その後も性的暴行を受け続けたが、8歳のときその軍人を射殺したという過去があったことが告げられる。アッシュが他人を信用できないのは幼少期の頃の壮絶な体験が原因だった。

そうこうしていると、ゴルツィネの手下がケープコッドに乗り込んでくる。手下らはジムとジェニファを人質に取りアッシュを捕らえようとするが、伊部とマックスの機転でなんとか反撃する。しかしながら乱闘でジェニファが射殺され、ジムも撃たれてしまう。ジムはアッシュとショーターの殺人の罪を庇い、アッシュに逃げろと命令する。それは不器用な父親の愛情だった。5人は一路ロサンゼルスを目指す。

感想

めちゃくちゃ良い話でした。こういう不器用な愛情ってのは感動します。ジムほどでなくても、男ってなんか素直になれないというか素っ気ない態度を取ってしまうことがあると思うのですが、その裏にはちゃんと愛情がある場合が多いことを忘れちゃダメですよね。まあ本当に嫌で邪険に扱ってる場合もあるかもしれませんが…

しょうもない感想ですが、ジムに問い詰めるシーンの英二が機動戦士Zガンダムカミーユと被ってしまいました。子供の特権というか大人に対して直接的に純粋に意見をぶつけるところが似てると思ったのかもしれません。今回の話で伊部がマックスに「英二になりたがってる」と問い掛けるシーンがありましたが、そういう無垢さっていうのを見ているのかもしれません。

ちなみにここのシーンでアマデウス症候群というセリフがありましたが、これはピーター・シェーファーによる戯曲『アマデウス』でサリエリモーツァルトの才能に嫉妬するあまり、モーツァルトを憎み破滅させようとするというストーリーから、自分より超越した存在を憎み愛する状態のことを指す言葉です。しかし正式な心理学用語としては認められていないように思います。

アマデウス(字幕版)

アマデウス(字幕版)

さて今回のサブタイトル「My Lost City」もフィッツジェラルドの短編です。ストーリーは最後、王龍とゴルツィネが手を組むシーンで終わりましたが、アッシュたちにとっては更に絶望的な状況に陥るでしょう。この先の展開が不安です。