アニメ『深夜!天才バカボン』第1話感想‐ブラックジャックも出てくるおそ松さんを意識したメチャクチャな作風
夏アニメ『深夜!天才バカボン』1話の感想です。
あらすじ
久しぶりのアニメ化で、お茶の間に帰ってきたバカボン一家。前回のアニメ化からずいぶん月日も過ぎ、世の中もだいぶ変わったことを知ったパパだったが、そんな中、バカボンが口にした一言からふと何かを思いたち、急いで家を飛び出した!?お久しぶりのバカボン一家と町の人たちが、装いも新たに(?)大騒動を巻き起こす!?
スタッフ
脚本:細川徹
絵コンテ:細川徹 山本天志
演出:山本天志
作画監督:Kim Yoo Mi Hue Hey Jung
感想
端的に言ってお蔵入りしそうな1話です。次回予告で自らネタにしていましたね。さすがに許可を得て出しているとは思いますが、なんでもありな1話でした。
まず画面が以前のバカボンと同じというレトロな作風のままで進行していきました。後半でもともと公開されていたような作風になるまで1話はほぼ全編に渡って99年の『レレレの天才バカボン』を再現した画面。X‐JAPANの再結成を知ったバカボンのパパがYOSHIKIに電話します。本人に許可は得ているそうですが、流石に出演は叶わず、声優は三木眞一郎でした。
バカボンのパパは声が以前と同じ声優の小倉久寛のままだったので、声を変えなくてはということで声優オーディションを開催。野沢雅子が参加したり、福山潤が出てきたりするのですが、この福山潤が結局1話のほとんどをバカボンのパパとして演じることになります。その後もなにか変わらなくてはということでなぜか東京上野クリニックに行って整形手術をしてくれと頼みます。そしてなぜかブラックジャックが声優も大塚明夫そのままに登場しました。ブラックジャックの執刀により、8等身になるパパ。更に整形を行い、女性化して国籍もカンボジアに。女性化するから福山潤なのかと。そして6人に分裂させられるバカボン。まあわかりきっていることなのですが、おそ松さんを意識しすぎです。
レレレのおじさんや本官さんなどのキャラも顔見せ程度に出てきます。滅茶苦茶やった後に、最終的にはじめちゃんを無理やりクスリの売人として逮捕させようとして、ママに鬼の形相で叱られ、すべてがリセットされ、もともとの作風に戻りました。この際にパパの声優がなぜか古田新太になってます。
とにかく小ネタが散りばめられていて、さすがはおそ松さんの系譜だなと感じました。全体的なネタのやりすぎ感としてはこちらのほうが上かもしれません。もとからメチャクチャやるのがバカボンではあるかなと思うのですが、1話の印象としてはイマイチという感覚。
天才バカボンの原作は漫画の構造を逆手に取ったメタ的手法が取られており、それが新鮮に読者には映りました。『深夜』でもメタ的ユーモアが多数というか、それがほとんどの構成になっています。原作当時は、珍しいものでしたが、今となっては世の中にありふれたもので、面白くないとかキツいとか言う意見も、そのためだと思われます。そう考えると腐女子向けを意識した『おそ松さん』は素晴らしい現代向けリメイクだったのだと改めて感じました。
イントロダクション
ギャグ漫画の金字塔であり、赤塚不二夫の代表作とも言える
「天才バカボン」が、前作から18年ぶりに、
細川徹監督のオリジナルストーリーでTVアニメ化決定!
「これでいいのだ!」でお馴染みバカボンのパパとそのファミリーに加え、
本官やレレレのおじさん、ウナギイヌまで、
超個性的な面々が、舞台を現代に変えてやりたい放題!
赤塚不二夫没後10年にあたる2018年、“深夜”に繰り広げられる
「バカボン」の新境地が、いよいよ幕を開ける!
スタッフ・キャスト
スタッフ
原作:赤塚不二夫
監督・脚本:細川 徹
副監督:山本 天志
キャラクターデザイン:和田 高明
音楽:末廣 健一郎 ・ 眞鍋 昭大
音楽制作:テレビ東京ミュージック エイベックス・ピクチャーズ
音響監督:菊田 浩巳
アニメーション制作:studioぴえろ+
キャスト
パパ:古田 新太
バカボン:入野 自由
ママ:日髙 のり子
ハジメ:野中 藍
本官:森川 智之
レレレのおじさん:石田 彰
ウナギイヌ:櫻井 孝宏