アニメ『殺戮の天使』1話感想 - ビルからの脱出を目指すホラーサスペンス
2018夏アニメ『殺戮の天使』の1話「Kill me... please.」の感想です。
あらすじ
閉ざされたビルの地下の最下層で目を覚ました少女「レイチェル」。
彼女は記憶を失い、自分がどうしてここにいるかさえ分からずにいた。
地上への脱出を目指してビルの中をさまよう中、突如現れたのは、顔を包帯で覆い、死神のような鎌を持った殺人鬼「ザック」だった。
レイチェルは両親に会いに行くため、上のフロアへ上がるため必死に逃げるのだが…。
スタッフ
脚本:藤岡美暢
絵コンテ:鈴木健太郎
演出:篠原正寛
感想
ビルの最下層で目を覚ましたレイチェル。ビルの最下層からの脱出を目指すためにビル内を探索するが、鎌を持った殺人鬼のザックに出会ってしまい、殺されかける。
ザックを何とかやり過ごしたレイチェルだったが、再びザックに見つかりエレベーターに駆け込み上層に向かう。上層では自称カウンセリングの先生のダニーがいた。
ダニーはレイチェルを心配するようなそぶりを見せるが、やはりそれは罠だった。殺されかけようとするとき上層に上がってきたザックがダニーを殺す。レイチェルはダニーに言われた台詞で自分の存在価値がないと思い、ザックに「殺してくれ」と頼む。
原作は同名のゲームでPCやスマホ、Nintendo Switchなどでプレイ可能な探索型ホラーゲームです。最近脱出ゲームが流行っていますが、アニメもその流行に乗った企画だったと推測されます。
ただ脱出するだけ、ではなく何やらゲーム的な要素があるようです。それはザックがダニーを殺したときに「フロアB6のものがフロアB5のものを攻撃しました。ルール違反により裏切り者が生贄となりました。」というゲームマスターらしき人間のアナウンスがあったことからも分かります。
ただ申し訳ないですが面白くないです。ビルからの脱出で私が思い出すのはHUNTER×HUNTERのハンター試験のトリックタワーからの脱出なのですが、『殺戮の天使』の場合はルールがまだ提示されていないのが興味を削いでいるように感じます。こういうゲーム系アニメは、まず最初にルールを提示してその中で知略を巡らせるのが面白いと思うので、ルールの策定が最も重要な要素だと私は思っています。
さらに、この後あらすじによるとレイチェルとザックが協力してビルからの脱出を目指すらしいのですが、そこまで1話で行っていないのもどうかと思います。「殺してくれ」とレイチェルが懇願するシーンは確かに印象的ですが、このアニメの面白さは「脱出できたら殺してやる」という奇妙な絆だと思います。そこまで1話で行かないと構成的に損です。
あんまり貶してばかりなので褒める部分も書きます。何より声優がいいです。キャストが少ない分1人の負担が重くなり、上手い声優でないと難しいですが演技派のキャストが集まっています。岡本信彦さんはまた狂人の役ですが嵌まり役ですね。
イントロダクション
ビルの地下の最下層で目を覚ました少女、レイチェル。
彼女は記憶を失い、自分がどうしてここにいるかさえ分からずにいた。
地上を目指し、ビルの中をさまよう彼女の前に現れたのは、顔を包帯で覆い、死神のような鎌を持った殺人鬼ザック。
「お願いがあるの…お願い、私を殺して」
「一緒にここから出る手助けをしてくれよ。そしたら、お前を殺してやるよ」
二人の奇妙な絆はその“誓い”をキッカケに深まっていく。
果たしてここはどこなのか。二人は何の目的で閉じ込められたのか。
彼らを待ち受ける運命とは。密閉されたビルから脱出する二人の決死行がはじまった…!