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アニメ『どろろ』12話感想 - 完全にアニメオリジナルの展開へ突入

アニメ『どろろ』第12話「ばんもんの巻・下」感想です。

前回あらすじ
醍醐領に入ったどろろと百鬼丸は、国境の砦跡地に残る1枚の巨大な板塀「ばんもん」の存在を聞く。百鬼丸はばんもんに現れる狐の鬼神と対峙するのであった。

第12話あらすじ

国を救うために犠牲になった百鬼丸と犠牲にした醍醐景光が初めて顔を合わせた。百鬼丸景光の魂の色を見て警戒する。景光に弓矢を放たれるが、それを逃れた。一方、どろろ助六は朝倉領に捕まり、牢屋に入れられた。どろろは牢の上に開いた小さな穴から抜け出して、百鬼丸に助けを求める。

どろろおいら侍には、戦には負けないって決めたんだよ

多宝丸は、縫の方に百鬼丸のことを問い詰める。親のすべきことではないと責めるが、そこに現れた景光に民を救うための行為だと咎められる。さらに百鬼丸も現れ、縫の方は百鬼丸に言葉を投げかける。景光は多宝丸に地獄堂に行き、覚悟があるなら鬼神との約定を破棄しろと告げるが、多宝丸は逡巡していた。

景光百鬼丸討伐のために、兵士を集結させる。一方で、朝倉領は助六達をばんもんに磔にすると決定。そして醍醐領と朝倉領はばんもんを挟み、戦となった。そこにどろろに連れられた百鬼丸が到着。ミオを亡き者にした男を発見し、鬼になりかけるが、それをどろろが止める。

多宝丸がそこに参上し、百鬼丸へと宣戦布告。兄弟2人は戦いへと突入した。

多宝丸「いえ、今や国を脅かす兄上こそ、この国にとっての鬼神!よって私はあなたを、討つ!

多宝丸は戦いで負傷するが、さらに消えたと思われた九尾が現れ、百鬼丸は九尾をばんもんへと封印する。さらにそこに登場したのは、縫の方だった。彼女は百鬼丸に頭を地面につけて謝罪、そして百鬼丸だけを犠牲にできないと切腹をするのだった。

縫の方「私は…わたくしは、そなたを救えませぬ!

すると、ばんもんが倒壊。両軍は引き上げた。その後隠れていた家族と助六が再会した。

どろろ』の正義の話をしよう

前回の感想でも言ったように、功利主義的に考えれば、景光や多宝丸の選択というのは、あながち間違いだとも言い切れないのが難しいところ。じゃあ自分が犠牲になれよというのは置いとくとすれば、百鬼丸の命を救って民を滅ぼすのが善かと言えば、そうとも言い切れないと思う。ここは原作では、景光や多宝丸はもっと屑な描き方をしていたと思うのだけど、アニメではどちらの言い分も理解できなくはない。

ただ物語的には、どうしても百鬼丸の境遇に同情してしまうので、景光が敵という見方になってしまうのだと思う。多宝丸は景光と異なり、苦悩しているので、感情移入してしまう人もいるかもしれない。ダブル主人公のような印象すら受ける。

多宝丸生存ルート突入

そして原作では多宝丸は百鬼丸に討たれる。しかしアニメでは多宝丸は生き残っている。つまり完全なアニメオリジナルの展開に突入している。だけど原作の雰囲気を損なわないオリジナル展開で、むしろこっちの方が優れているとすら思う。

そして多宝丸が生存ということは、この2人の確執や対立はさらに続くことになるだろうから、ダブル主人公的な描き方をしているというのは、あながち間違いではないのかもしれない。

ちなみにだが、アニメでは助六も救われているが、原作では悲惨な結末になっている。個人的には『どろろ』の雰囲気には原作の方が合っているのかなとも思ったのだけど、救われた助六と、救われなかった百鬼丸の対比が余韻で残るアニメの展開の方も悪くない。

画像は©手塚プロダクション/ツインエンジン