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アニメ『あかねさす少女』11話感想 - 未来は自分で切り拓くなんて言えるのも青春の特権

2018秋アニメ『あかねさす少女』第11話「優等生」感想です。

前回あらすじ
ラヂ研の面々が、元の世界へと戻って数日が経った。無念を抱きつつ普段どおりの生活を続けていた彼女たちに、明日架は「他のフラグメントに出現したクラッターをやっつけよう」と明るく提案する。それを自然と受け入れる一同。だが、優だけは彼女の態度に違和感を感じていた。それは今日平がいなくなり、味噌屋を継ぐと言い始めた、あの時の明日架にとても似ていたから……。「明日架は嘘をついている」。その疑念はわだかまりとなって明日架にも伝わり、ふたりの間には大きな溝ができてしまう。さらに折悪しく、この世界に不気味な気配が忍び寄り――。

第11話あらすじ


©Akanesasu Anime Project

黄昏の使者と対面する明日架。黄昏の使者は黄昏と一体化する資質を持っており、それは明日架の中にも備わっているという。黄昏の王は破壊と創造を繰り返す自然の摂理そのものであり、黄昏の使者はそれを円滑に働くようにサポートしているだけの存在だった。明日架は自分の世界が破壊されるのを少しでも遅まるならと、黄昏の使者に落ちていた木の枝で殴りかかる。


©Akanesasu Anime Project

一方で、奈々たちイコライザー組はクラッター撃退のため学校の屋上に向かう。そこにいたのは橘田先生だった。デュプリケートして闘おうとする3人の変身の隙を突き蜘蛛の糸で絡め取ってしまう。明日架を捜す優は、今日平が失踪した公園に行くがそこに明日架の姿はなく、いたのはユウだった。ユウにクラッター反応が分かるレーダーを手渡され明日架を救うように発破をかける。

ユウ「だけど、この世界の明日架はあんたにしか救えない!…私と同じ目に、合わないで…


©Akanesasu Anime Project

橘田先生は幻覚の中でイコライザーの3人に、今まで乗り越えた自分を否定するような精神的揺さぶりを掛ける。しかしそれを乗り越えたのもまた友人の言葉だった。

クロエ「アスカさんが言ってたじゃないか!世界のありようは僕たちの行動による帰結だと!世界は僕たちの行動の先にあるんだ!大人が勝手に描いたありふれた物語の中なんかじゃない!


©Akanesasu Anime Project

明日架には、黄昏の使者が明日架が共に来るのであれば、この世界を黄昏に飲み込ませるのを止めるという交換条件を持ちかけられる。心揺れる明日架はさらにアスカの世界を蘇らせてくれと叫ぶが、それは不可能と告げられる。そして黄昏の使者から、自分も10年前に今日平を失いそのときの悲しみを埋めるように黄昏の使者となったことを告白する。自分の今の境遇と似た黄昏の使者の話を聞き、悲しみが忘れられるならと手を伸ばしたそのとき優の叫びが聞こえる。

優「明日架ー!だめよ明日架!そっちに行っちゃだめー!明日架!私、私がいる!明日架のことを誰よりも大好きな私が!


©Akanesasu Anime Project

明日架は黄昏に飲まれてしまうが、優の手元に現れたのはレコードプレーヤーだった。優もイコライザーの地平に達し、黄昏の中で黄昏の使者の呼び出すノイジーとの戦いに突入。2人分かり合えた明日架と優はシリアスカの遺してくれたロケットペンダントから出現した剣を使って巨大ノイジーと戦う。


©Akanesasu Anime Project

そしてラヂ研の3人も駆けつけ、ノイジーを撃退。黄昏の使者との勝負へ移るかと思いきや、明日架は黄昏の使者とともに行くという。明日架の狙いとは…

感想

良い話でした。最終回に近づくにつれて盛り上がりが最高潮になってきました。クロエたちが橘田先生の精神攻撃を乗り越えたのも奈々やアスカの言葉でした。そして明日架が救われたのも優の言葉でした。友人というのは得難いものです。このアニメは是非中高生に見て欲しいですね。私はもう30歳になって、こういうあまりにも眩しい可能性に満ちた高校生たちの青春を見ると、こっぱずかしくなって、どっちかと言えばクラッター橘田先生に賛同してしまうのですが、可能性のある若い人達には、挫折を恐れず頑張って欲しいなあと思うばかりです。

そして、多分邪道な視聴の仕方なんでしょうが、ずっと一緒にいるよとか大好きだよとか、ここにきてまさかの百合展開。百合が売りの某スパイアニメよりもよっぽど百合百合していて今期最強百合アニメを名乗っても良いんじゃないでしょうか。

さて、黄昏の王の正体は自然の摂理でした。実は私の『あかねさす少女』第3話の感想

黄昏の王ってなんなのでしょうか?個人的には物理的な制約によって、フラグメントの個数が一定に保たれているという方が納得できるのですが、フラグメントの生死を黄昏の王が握っているというのが少しイメージできません。黄昏の王というものが概念的な何かという可能性もありますが。

と書いていてまさにこの通りでしたね。先見の明あるなあ。流石だなあ。(その後今日平か?明日架か?と書いていたのは忘れてください。まああれは黄昏の使者だって分かんなかったから仕方ない。うん。)

明日架は黄昏の使者と共に行くと最後に宣言していましたが、明日架の狙いは何でしょうか。最初に思いつくのは黄昏の王との対話ですが、『機動戦士ガンダム00』のようにクオンタムバーストみたいなシステムはここまで出てなかったし、もし黄昏の王が完全に概念だとすると対話もできなさそうです。黄昏の王は自然の摂理でも何かしら実体や知性があるものなのでしょうか?

まだ残っている謎として、全てのフラグメントの今日平はどこに失踪したのか?というのがあります。ずっと「今日平」と「明日架」という名前の対比がずっと気になっていたんですが、なんか最後にやってくれそうな期待感があるんだよなあ。具体的に言ってしまえば、黄昏の王(または一番の側近)が今日平で「明日がない今日で終わる」ことを名前が示していて、それを「明日架」が救うというような…

対話という可能性が私が高いなと思っている理由の一つには、明日架が最後まで変身しないというところに、主人公は力ではなく言葉を使うキャラクターである戯言シリーズいーちゃんような)ことが現れているような気がします。実際みあやクロエを救ったのは明日架の「言葉」ですから。