アニメ『あかねさす少女』6話感想 - サービス回なのに海に来てもやることはスマホをポチポチ
2018秋アニメ『あかねさす少女』第6話「ひとりのアイランド」感想です。
前回あらすじ
「かわいいものが好きな自分」と、そうじゃないと思う自分。いつの頃からか、ふたつの感情が同居していたというみあ。そんなジレンマを和らげてくれたのは、かつて「ヒーローにならない?」とラヂ研に迎え入れてくれた明日架たちだった。そんな思い出を振り返っていた彼女のもとに、銀行強盗の知らせが届く。追い詰めたその先にいたのは……なんと明日架たちだった。裁判にかけられ、お互いに決闘することとなった明日架たち。絶体絶命の彼女らの状況に、みあは「自分なりの正義」を見つめ直す。彼女は本当のヒーローになれるのか?
第6話あらすじ
ひとりが好きなクロエがカフェオレを飲みながら読書を楽しんでいると明日架からメールが着信する。喫茶オクターヴに呼び出されて行ってみると、明日架が夏に出来なかった海に行きたいという。そこに現れたのはユウ。彼女はクラッターのいない海ばかりのフラグメントに招待するという。
アストラルモジュールを使ってクロエが楔となり移動する。そこは大部分が海の、ひとりにひとつ小さな島が与えられるというフラグメントだった。その世界ではホワイトゴートというAIがあらゆる物流や生活インフラを管理していた。カプリフォーンと呼ばれるスマホで依頼することであらゆるものがドローンによって届けられる。明日架はバーベキューを楽しみ、みあはゲーム、優は買い物、奈々はインスタグラムを思う存分楽しむのだった。
そこにアスカが現れる。アスカはユウの挑発に乗り一戦交えることに。
ユウ「要するに自分のフラグメントを救うためよね?それこそ自分のためじゃなーい?私ね、いろんなアスカを見てきたわ。アスカってフラグメントごとに全然違うの。私好みの可愛いアスカもそうでないアスカもいっぱいいたけど、あんたみたいに偽善っぽいアスカは初めて!」
そこに明日架が現れ、2人は一時休戦する。明日架はバーベキューをしようとラヂ研の3人に提案するが、3人は自分の世界に没頭して、耳を傾けない。
一方で、楔となったクロエはひとり音楽や本を楽しんでいた。そんな中、部屋にあったVRマシンを使ってみると、映し出されたのはパリの光景だった。彼女がパリにいたときは、ひとりでいることが普通だったが日本に来てひとりでいることに後ろ指をさされ、自身の価値観が揺らいでいった。
クロエ「ラヂ研のみんなといるのは楽しい。でもときどき不安になるんだ…このままみんなといることに慣れてしまったら、ぼくはひとりでいることを恐れるようになるんじゃないかって。」
するとひょんなことからVR映像の中に不思議な暗号のようなものが出現しているのに気付く。クロエの部屋にあったノートを見ると、そこに書いてあったのは「サブリミナル」「洗脳」という文字だった。そしてその様子をホワイトゴートのドローンが監視していた…
感想
現代社会の風刺?
今回は水着回。クロエが水着じゃなくてウェットスーツだったのが心残り。でも水着回でも、みんな自分の殻に閉じこもってスマホをポチポチしているのって、なんか現代社会を風刺しているようでした。最近の若い人たちは、友達と遊んででもお互いがスマホをいじってるだけで会話がないともよく聞きます。このフラグメントでもひとりだけの孤立した島というのが、そういう現代社会の孤独を象徴しているような気がします。
もう一つは監視社会です。AIによってすべてが制御されている世界で、実際クロエをドローンが監視していました。現実の世界でもスノーデン氏が暴露したように全てのメールや通信が検閲されたりしていますし、監視カメラは死角がないほどに設置されていますから似たようなものでしょう。ただこのフラグメントではメールが手紙なのは面白いです。古典的だからこそ一番検閲されにくいシステムであるとも言えます。この仕組みは後からキーになりそうですね。
黄昏の王とは?アスカとユウの関係は?
アスカの口から黄昏の世界と黄昏の王について少しだけ具体的な説明がありました。
何も死なない代わりに何も生まれない世界。苦しみはないが喜びもない世界。あらゆる可能性が失われ、完全に静止した茫漠の世界。それが黄昏の王が齎すものだ。
簡単に言うと、黄昏の世界ってのはフラグメントの分裂が静止した世界ということでしょう。黄昏の王についてはまだよくわかんないですね。
ユウとアスカは予想通り敵対することになりましたが、これもがっつり敵かどうかは微妙なところ。明日架とアスカがシンクロしたのは、ユウにとっては「2人は全然違う」と言った手前悔しいでしょうね。明日架もアスカのことも全然分かってなかったのに好き嫌いを言ってたってことですから。