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【第3場追記】ららマジ第11幕の不思議の国のアリスの元ネタ

ららマジのメインストーリー第11幕は『不思議の国のアリス』をテーマにした物語でした。遊び心がたくさん詰まったストーリーだったので、原作の『不思議の国のアリス』を基に元ネタを列挙していきたいと思います。

タイトル『ハッピーアンバースデイソング』

ハッピーアンバースデイは直訳すれば「非誕生日おめでとう」となります。意訳では「なんでもない日おめでとう」と訳されることが多いです。ららマジではお茶会で3人が歌っていましたが、これはディズニー映画の『不思議の国のアリス』のネタで、原作の『不思議の国のアリス』にはありません。原作では続編の『鏡の国のアリス』でハンプティダンプティが非誕生日プレゼントと言うシーンがあります。
また『ハッピーアンバースデイソング』という曲名よりも、ディズニー映画のものは『a very merry Unbirthday to You』と呼ばれることが多いです。


時計ウサギ

ららマジでは亜里砂を東奏学園へと導く時計ウサギですが、原作でもアリスを深い穴底へと誘います。ホニャが時計ウサギを臆病と評する場面がありますが、これも原作の時計ウサギをオマージュしたもので、原作の時計ウサギは格好は決めているが心は臆病な英国紳士を風刺していると指摘されることがあります。
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イモムシ春香

なんとも可愛いイモムシ春香ですが、原作でもイモムシは出てきます。ららマジでは亜里砂にアドバイスするような役割でしたが、原作でも、アリスの大きさを変えるにはキノコを食べるといいと助言します。(その助言はかなりおざなりなものですが…)イモムシ春香はキノコの岳を食べるように亜里砂に勧めるという描写に変えて上手く合致させています。
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おかしなお茶会

器楽部のお茶会では帽子屋アミと三月ウサギ雪菜、そして眠りネズミ葉月が登場します。原作でもMad Hatter(帽子屋)、March Hare(三月ウサギ)、Dormouse(眠りネズミ)が登場します。眠りネズミはヤマネと訳されることもあります。
ららマジの台詞に脈絡のない会話というのがありますが、原作はもっと酷く支離滅裂な会話を3人がしています。
原作では、眠りネズミはマッドハッターと三月ウサギに虐げられていて、ららマジでも(嫌々ながら)あの葉月先輩がアミに従っているのは印象的です。
時計ウサギに邪魔されてお茶会が破壊されるというのは、ららマジ独自のもので原作ではアリスがお茶会を辞去するのみです。
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招待状

ららマジでは暴れた後に時計ウサギが落としていきますが、原作では公爵夫人にハートの女王から届けられた招待状として登場します。(時系列としてはお茶会の前)招待状には「クロッケーのゲームに御招待」と書かれているのですが、ららマジでは第2場でどのように展開していくのか楽しみです。
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ホニャ

ホニャはららマジ独自のキャラクターですがしゃべる猫ということからチェシャ猫の役割を果たしていると言ってもいいでしょう。原作ではチェシャ猫は道案内をしたりアリスの話し相手になったりアリスが困ったときに助けてくれる猫でもあり、ホニャと役割がかぶります。
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その他のセリフ

亜里砂が今までは夢にとらわれていてフランスに帰るのは夢から覚めただけと言っていますが、原作のアリスも最後は夢オチだったという結末で終わります。それをイメージしたセリフでしょう。

花壇が綺麗というセリフがありますが、原作にも、あざやかなお花の咲き誇る花壇が登場します。ららマジのこの花壇は紗彩ちゃんがお世話をしたものでしょう。ちなみに原作では野菜は植えていません。

三月ウサギ雪菜がブリキの人形を作りたいというのに対して、眠りウサギ葉月が別の作品とツッコミますが、これは「オズの魔法使い」です。しかしスマホゲーム『シャドウバース』では三月ウサギのお茶会というアミュレットカードからブリキの人形が出てきます。

追記:第2場の不思議の国のアリスの元ネタを追記します。

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公爵夫人

ららマジでは白石陽菜が扮している公爵夫人。原作での公爵夫人は赤ん坊を胡椒で虐め抜き、さらにアリスに赤ん坊を預けるという酷いキャラクターとして描かれています。しかし後半に再登場するときは、性格が変化し教訓めいたことを説教するキャラになります。ららマジでは、アリサに入部を勧める優しいキャラクターとなっていますが、原作ではそのようなキャラクターは見られません。

チェシャ猫

第1場でホニャがチェシャ猫的ポジションと書きましたが、チェシャ猫もしっかり出てきました。翼が演じています。正直反則的な可愛さです。原作にいたら、夢から覚めたくないでしょう。原作ではニヤニヤ笑いをしていますが、ららマジでは屈託のない笑顔です。
神出鬼没というのもチェシャ猫の特徴的な能力です。

クロッケー場

ららマジではアリサは招待状に化けた入部届によってクロッケー場へと誘われます。クロッケー場は原作の『不思議の国のアリス』にも出てきます。クロッケー自体は実在の競技でゲートボールのようなものです。
『アリス』におけるクロッケーは、槌の代わりにフラミンゴ、ボールの代わりにハリネズミ、ゲートの代わりに生きたトランプを使っているという奇想天外なもので試合になりません。
クロッケー場でミスするとクイーンの女王に首を刎ねられてしまうのでアリスは戦々恐々とプレイします。そこをチェシャ猫に助けられるのですが、ららマジ第3場ではどうなっているでしょうか。

その他のセリフ

原作のアリスは最後に裁判のシーンがあります。そこではハートのジャックが女王のタルトを盗んだ疑いで起訴されており、時計ウサギが裁判官役の王たちの前でその罪状を読み上げます。きっとこれがららマジでも第11幕最後のシーンになるのではないかと予想しています。

ららマジでは不思議の国のアリスを同じ時を繰り返す『ループもの』と融合させていました。原作に、ループものを示唆するような描写はありません。しかし、『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』の成立経緯には著者のルイス・キャロルが幼いアリス・リデルへの恋慕の情から書かれたものであることが言われています。
そして『鏡の国のアリス』では、大人として成長しつつあるアリス・リデルを惜しみつつ書いたもので、彼の彼女には、ずっと子供のままでいて欲しいという思いが詰まっています。この想いは同じ時を繰り返すというループものに関連していると言っても無理なこじつけではないように思います。

追記:第3場の不思議の国のアリスの元ネタを追記します。

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裁判

第3場では裁判のシーンが最も重要な位置を占めています。

女王がアリスの首を刎ねるように宣告するシーンは不思議の国のアリスの夢の中でのラストシーンです。ただ『ららマジ』ではアリサは被告人として裁判に呼ばれますが、原作では証人として呼ばれます。証言がクイーンの女王の気に食わなかったために、死刑を宣告されるのです。
ちなみに原作で裁判を主に進めているのは王様です。

またららマジでは三月ウサギ、マッドハッター、眠りネズミが裁判に参戦しますが、原作でも裁判に招かれています。原作では3人組では最初に証言台に立つように言われ、最終的には裁判所から追放されるので、ららマジとは逆になっています。

細かいですが、百花がうるさい傍聴人を追い出すシーンは、原作でもうるさいモルモットを鎮圧するシーンがあります。


ジャバウォック

最後のディスコードはジャバウォックでした。作中にも説明があったように、ジャバウォックは続編『鏡の国のアリス』の詩の中に登場する空想の怪物で、その詩が意味のない言葉遊びに満ちた詩であることから、言葉を司るような怪物として描かれることがあります。ここから「jabberwocky」は「無意味な言葉」「わけのわからない言葉」を指す英単語として実際に使われています。ディスコードはDiscord(不和、不協和音)の意味でしょうが、コードをcodeと解釈した場合、暗号や符号の意味もありますから、それを否定するDisをつけたディスコードはジャバウォックに相応しいのではないでしょうか。

ららマジのジャバウォックの容姿は原作にあるジョン・テニエルの挿絵によく似ています。

原作の詩は

Twas brillig, and the slithy toves
Did gyre and gimble in the wabe;
All mimsy were the borogoves,
And the mome raths outgrabe.

Beware the Jabberwock, my son!
The jaws that bite, the claws that catch!
Beware the Jubjub bird, and shun
The frumious Bandersnatch!

He took his vorpal sword in hand:
Long time the manxome foe he sought
So rested he by the Tumtum tree,
And stood awhile in thought.

And as in uffish thought he stood,
The Jabberwock, with eyes of flame,
Came whiffling through the tulgey wood,
And burbled as it came!

One, two! One, two! And through and through
The vorpal blade went snicker-snack!
He left it dead, and with its head
He went galumphing back.

And hast thou slain the Jabberwock?
Come to my arms, my beamish boy!
O frabjous day! Callooh! Callay!
He chortled in his joy.

Twas brillig, and the slithy toves
Did gyre and gimble in the wabe;
All mimsy were the borogoves,
And the mome raths outgrabe.

食らいつく顎、かきむしる爪、燃えるような眼、人殺し、ひょうひょうと風を切って飛び来たると描かれており、ららマジのジャバウォックの攻撃手段とよく似ています。

ちなみにディスコードはジャバウォックじゃないかと予想はしていました。

なさそうと書いているのは気にしないでください。

その他のネタ


ホニャが青い鳥が自分の家にいたというのは、モーリス・メーテルリンクの青い鳥を意識したものです。チルチルとミチルが幸福の象徴である青い鳥を過去や未来に探しに行くが結局は自分の家の鳥籠の中にいたというお話です。
今回のタイムリープするアリサや、自分の幸せを捜し求める彼女によくマッチした例えです。